米国務長官 武漢の研究施設など公開求める 新型コロナウイルス

米国務長官 武漢の研究施設など公開求める 新型コロナウイルス
新型コロナウイルスへの対応をめぐって中国を批判しているアメリカのポンペイオ国務長官は、中国国内の研究施設でウイルスなどが適切に管理されているか確かめるため、中国に対して湖北省武漢にある研究施設などを公開するよう求めました。
ポンペイオ国務長官は22日、記者会見し、新型コロナウイルスについて「中国が、WHO=世界保健機関に発生をすぐに報告しなかったと確信している。報告したあともすべての情報を共有せず、危険性を隠蔽した」と述べ、中国の対応を改めて批判しました。

そのうえでポンペイオ長官は、中国の複数の研究施設が複雑なウイルスなどを扱っていると指摘し「これらが安全に扱われ、誤って漏れないようにするのが重要だ。武漢だけでなく、どこでも適切に扱われなければならない」と述べました。

そしてウイルスなどが適切に管理されているか確かめるために中国に対して武漢にある研究施設などを公開するよう求めました。

アメリカでは一部のメディアがウイルスは武漢の研究所から広まった可能性があると報じ、トランプ大統領も政府として調査を進めていることを明らかにしていますが、中国政府は強く否定しています。

大統領補佐官「WHOは中国に支配」

また、ホワイトハウスで国家安全保障問題を担当するオブライエン大統領補佐官は21日、公共ラジオのNPRとのインタビューで「WHOは中国に支配され、中国のプロパガンダの道具になっている」と述べました。

そのうえで「アメリカはWHOにおよそ5億ドル支払っているものの中国は4000万ドルだ。それが少なくとも公開された支払額だが、WHOに影響力を持つため、他の資金を支払ったのか詳細に調査している」と述べ、中国が影響力を得るため資金を別途支払った可能性を調査する考えを明らかにしました。

さらにオブライエン補佐官は「国際機関には汚職が多いのは明らかだ」とも指摘し、トランプ大統領が資金の拠出を停止し、今後2か月から3か月の間に行うとしているWHOに対する検証の中で汚職の有無も調べる意向を示唆しました。

一方、オブライエン補佐官は、新型コロナウイルスの発生源について武漢にある海鮮市場なのか「ウイルス研究所」などの武漢にある研究施設なのか中国からの情報が少なくわからないとしたうえで、中国政府が国際社会に説明責任を果たすべきだと強調しました。

WHO「ウイルスがどこから来たのかわからない」

新型コロナウイルスについて、WHO=世界保健機関は、動物に由来するもので、人工的に作られたウイルスではないという見方を示しています。

WHOのシャイーブ報道官は21日、国連ヨーロッパ本部の定例記者会見で「これまでに集まった証拠は、ウイルスは動物に由来するもので、研究所や何者かによって操作されたり作られたりしたものではないことを示している」と述べウイルスが人工的に作られた可能性を否定しました。

そのうえでWHOはウイルスはもともとコウモリが持っていたとみられ、何らかの動物を介してヒトに感染したとみられるとしています。

一方、アメリカでは一部のメディアがウイルスは武漢の研究所から広まった可能性があると報じ、トランプ大統領も政府として調査を進めていることを明らかにしています。

これについてシャイーブ報道官は「ウイルスがどこから来たのかはいまだに分からない」と述べ、現時点でははじめにどこでウイルスが広まったのかは明らかになっていないとして、引き続き調査していく考えを示しました。