WHO事務局長「新型コロナウイルスと長いつきあいに」

WHO事務局長「新型コロナウイルスと長いつきあいに」
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WHO=世界保健機関のテドロス事務局長は、アフリカなどで新型コロナウイルスの感染者が増加傾向にあることを踏まえて「私たちはウイルスと長い間つきあうことになる」と述べ、長期的な視野を持って闘っていく必要があるという考えを示しました。
WHOのテドロス事務局長は22日、スイスのジュネーブにある本部での定例記者会見で、新型コロナウイルスの感染は西ヨーロッパの各国では安定し、減少傾向にあるとする一方で、人数は少ないものの、アフリカや中央アメリカなどで増加傾向にあることに懸念を示しました。

そのうえで「ほとんどの国では、いまだに流行の初期段階にある。まだまだ先は長く、私たちはウイルスと長い間つきあうことになる」と述べ、長期的な視野を持って闘っていく必要があるという考えを示しました。

危機対応を統括するライアン氏は、アフリカでは国によっては感染者の数が1週間で2.5倍から3倍近くに増えているとしたうえで「アフリカでは感染拡大が始まったばかりだ」と指摘しました。

一方、テドロス事務局長をめぐっては「事態を過小評価し感染拡大を防げなかった」などとして、辞任を求める署名が22日までに世界各地の99万人以上から集まっています。

これについてテドロス事務局長は「いまは命を救うことに集中したいし、ほかのことに応える余力はない」と述べ、職務を全うする考えを示しました。

米 資金拠出停止「考え直してほしい」

また、テドロス事務局長は、アメリカがWHOの資金拠出を停止していることについて、「アメリカはWHOにとっての最大の資金拠出国であり、私たちはそのことを重んじ、感謝している。WHOへの資金拠出は人々を助けるだけでなく、アメリカのためにも大切な投資だと信じてもらいたい。アメリカには資金拠出の停止を考え直してほしいし、WHOを再び支え、命を救い続けてほしい」と述べました。