長崎港クルーズ船 全乗組員の検査急ぐ 新型コロナウイルス

長崎港クルーズ船 全乗組員の検査急ぐ 新型コロナウイルス
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長崎港に停泊している大型クルーズ船の乗組員から新型コロナウイルスへの感染が相次いで確認されたことを受けて、長崎県などは運航に不可欠な乗組員を優先しながら残りすべての乗組員の検査を急ぐことにしています。
長崎港にある三菱重工業長崎造船所の香焼工場に修繕を終えて停泊しているイタリア船籍の大型クルーズ船、「コスタ・アトランチカ」では、623人の乗組員のうちこれまでに症状を訴えた乗組員など61人のウイルス検査を行い、このうち34人の感染が確認されました。

長崎県や長崎市は、症状を訴えていない乗組員についても船の運航に不可欠なおよそ130人を優先しながら検査を進めていて、このうちすでに検体を採取した半数ほどの検査結果が23日にも判明する見通しです。

このほかの残りすべての乗組員の検査は数日以内に終えたいとしていて、陽性が確認されれば、船内の個室にとどまってもらい経過観察を続けるとともに、症状が重くなった場合は医療機関に搬送することにしています。

一方で陰性が確認されれば、できるだけ帰国してもらう方針です。

ただ長崎県医師会は、クルーズ船でこのまま感染者が増え続ければ医療体制がひっ迫するおそれがあるとして、医療危機を訴える宣言を独自に出すことを検討しています。

今後はこれ以上の船内での感染を防ぐとともに、感染が確認された乗組員に対応できるだけの医療体制を整えられるかが課題となります。

運航会社は…

長崎港に停泊中の大型クルーズ船について、運航する会社の香港の担当者は22日、NHKの取材に対し「船内にいる人たちの健康状況を注視してきたが、きょう、34人についてウイルスの感染が確認されたとの報告を受けた。日本政府や関係する当局の指示に従って船内での感染予防策と並行して封じ込め策を行っているところだ」とコメントしました。

そのうえで「日本の当局と緊密に協力して今後の対応を進めていく」としています。

また、乗船中の人の国籍は、33に上ると明らかにしました。