新型コロナで資金繰り厳しく 手形の「不渡り」が倍増

新型コロナで資金繰り厳しく 手形の「不渡り」が倍増
新型コロナウイルスの感染拡大で中小企業の資金繰りが厳しくなる中、企業どうしの支払いに使われる手形について、約束した期日までに資金を用意できず「不渡り」になる件数が先月、去年の同じ月のおよそ2倍に増えたことが分かりました。
企業どうしの取り引きで代金の後払いを約束して手渡すのが手形です。

期日までに資金を用意できず決済ができないと「不渡り」となり、半年間で2度不渡りを出すと金融機関との取り引きが停止され、事業の継続が難しくなります。

全国銀行協会のまとめによりますと、先月、不渡りになった手形の数は1560件と去年の同じ月と比べて2倍に増えました。

不渡りになった金額は100億円余りで、およそ8倍に増えました。

2回不渡りを出して、金融機関との取り引きが停止された企業の数は83社でした。

新型コロナウイルスの感染拡大で売り上げが大きく落ち込んで資金繰りが厳しくなった企業が増えたためで、先月以降、経営に行き詰まり破産などの法的手続きを取ったり、事業を停止したりした企業が増えています。

全国銀行協会は、中小企業が期日までに資金を用意できない場合でも不渡りとして扱わない特別な対応を取り、企業の支援を行うよう全国の金融機関に求めています。