藤沢市によりますと、今月19日の日曜日には多くの人が江の島や海岸を訪れ、翌日には200件近くの苦情や不安の声が市に寄せられたということです。

これを受けて市は、地元の観光協会や商店会連合会などと協力して、観光客に藤沢市に来ないよう呼びかける異例のメッセージを出しました。

この中では「感染拡大防止には人との接触機会を減らすことが何よりも重要で、今は観光していただく時期ではないと考えております。まさに今が感染拡大防止の正念場です。終息した際にはぜひ観光にお越しください」と呼びかけています。

藤沢市の鈴木恒夫市長は「年間1800万人が訪れる観光都市の藤沢としては断腸の思いだが、各団体、今この時期に出す必要性のあるメッセージとの認識で一致している。多くの人に思いが届くことをせつに願っている」と話しています。

湘南エリアなど11の自治体は、週末に多くの人が訪れているとして、22日、海岸の封鎖や道路の通行止めの措置を取るよう求める要望書を県に提出しました。

これについて神奈川県の黒岩知事は会見で「法的には県に権限がない」として海岸封鎖などは難しいという考えを示しました。

そのうえで、
▽海岸周辺への立ち入りを控えるよう看板を立てて呼びかけ、
▽主要な道路の情報板に「今は神奈川に来ないで」というメッセージを表示すると説明しました。

このほか県のホームページで「マリンスポーツやレジャーを楽しむための外出は、感染で命が脅かされることより重要なのか、冷静に判断して頂きたい」と、改めて外出自粛を強く求めるメッセージを公開したことを明らかにしました。

黒岩知事は「地元住民は困惑し不安に思っている。ふだんなら大型連休に遊びに来てとお願いするところだが、今は湘南の海や観光地に来ないでほしい。我慢をお願いしたい」と話していました。