コロナで就活どうなる? 影響が大きいのは”○○型”の学生

コロナで就活どうなる? 影響が大きいのは”○○型”の学生
大学生の就職活動は、新型コロナウイルスの感染拡大で活動開始がぎりぎりになった“追い込み型”の学生への影響が特に大きくなっています。説明会の延期などで、企業側との接点が少なくなっているうえ、面接のオンライン化など”覚えるべきこと、やるべきこと”が増えているからです。

大学側も、従来は“追い込み型”の学生の悩みに対面での相談やアドバイスでフォローしていましたが、緊急事態宣言が出される中、それもままならない状況です。

外出自粛 採用不透明 そんな中で就活生は…

「コロナで面接が延期」
「就活何したらいいか分からない」

外出の自粛が要請され、企業の採用状況も不透明になる中で、ネット上では就活生たちの不安の声が広がっています。
大学4年生が中心となる2021年卒の就職活動は、売り手市場を背景に、学生には有利な材料が多くありました。

ところが、新型コロナウイルスの感染拡大で状況が一変。
企業の説明会の延期が相次ぎ、対面での接触が難しい中で、志望企業をどう選ぶのかや、面接のオンライン化で新たなスキルを身につけなくてはならないなど、学生にとって新たな課題が山積しています。

「二極化」する就活

急展開する就活情勢。学生はどんなことに困っているのか?大学は支援できているのでしょうか?緊急事態宣言が出されて1週間ほどたった今月中旬、都内の複数の大学に電話取材を試みました。

やはり学生の支援を行うキャリアセンターには、電話がつながらない大学が半数以上でした。緊急事態宣言を受けて施設を閉鎖したり職員の出勤数を減らしたりしているためです。
そんな中、連絡が取れた大学に話を聞いたところ「『影響をあまり受けていない学生』と『影響を大きく受けている学生』とで二極化している」との回答が多く聞かれました。

緊急事態宣言前に内定の学生も?

『影響をあまり受けていない』のは「早く動き出した」学生たちに多いとのこと。
この世代の就活は、3年生の夏休みからインターンシップという名の企業説明会や職場体験などが繰り返されてきました。実質上の選考を兼ねたインターンシップや、その参加者を対象に本採用とは別のルートでの「早期選考」が行われていました。
政府が決めたルールでは企業の説明会などの開始は3月からですが、売り手市場を背景に実質的な説明会や選考が前倒しで行われる「早期化」傾向と言われてきたのです。

そうした中、政府ルールで企業の採用説明会の解禁直前の2月下旬ごろから新型コロナウイルスの影響がダイレクトにあらわれはじめました。以後に予定されていた企業説明会は延期やオンラインで対象者を絞るケースも多く出てきました。

思わぬ事態となった就活ですが「早く動き出した」学生たちは、早期選考の流れに乗れたケースもあり、緊急事態宣言の前に内定を得ていた学生も、少なくないようです。

“追い込み型” 始動したとたんに…

ところが、活動開始がぎりぎりになった“追い込み型の学生”にとっては、始めたとたんに中止や延期が相次ぎ、急ブレーキがかかってしまったのです。

これまで大学側のキャリアセンターでは“追い込み型の学生”からの相談に直接応じて、エントリーシートの添削や面接の指導をしながら、短期間で磨き上げて内定獲得につなげてきました。

しかし今回は、感染拡大防止のため学生たちの大学構内への立ち入りが禁止に。
対面での相談や、卒業生の名簿の閲覧、学内でのイベントの開催などができなくなっているそうです。

それでもなんとか学生を支援しようと、一部の大学では当番制で職員が出勤して電話やメール、インターネットのビデオ会議などで相談にあたっていますが、これまでどおりにするのはなかなか難しいようです。

手探りの就活はしばらく続く?

取材を通じてキャリアセンターの職員からは「早期に動きだしてすでに内定を得ている学生もいるが、3月から本格的に活動した学生は影響をもろに受けてしまい、二極化が一段と進んだ印象」「企業の採用状況が不透明になる中で、不安を抱える学生にしっかり時間をかけて丁寧に対応したいが、例年どおりの対応をするのは難しい」といった懸念が聞かれました。
実際に就職活動をしている学生にも聞くと「選考が中断している企業があり、就活全体のスケジュール感が全く分からず戸惑っています」「イベントもすべて中止で、ほかの就活生の様子も分からず戸惑う。ふさぎ込んでしまっている人もいます」といった声が挙がっていました。

新型コロナウイルスの影響を大きく受ける就職活動。
学生、企業、大学とも、手探りな状況がしばらく続きそうです。