「原油価格 年内は低水準の可能性高い」専門家

「原油価格 年内は低水準の可能性高い」専門家
新型コロナウイルスの感染拡大でニューヨーク原油市場の先物価格が初めてマイナスに落ち込むという異例の事態になったことについて、エネルギー情勢に詳しい専門家は原油価格が持ち直す見通しは立たず、年内は低い水準で推移する可能性が高いとの見方を示しました。
20日のニューヨーク原油市場は、国際的な指標となるWTIの5月物の先物価格が、事実上買い手がつかないマイナスに初めて落ち込むという異例の事態となりました。

日本エネルギー経済研究所の小山堅首席研究員は「感染拡大で原油の需要が大幅に落ち込んでアメリカの原油の受け渡し拠点でタンクがいっぱいになり保管ができないことから、買い手が見つからず、お金を払ってでも原油を引き取ってほしいという状況が生まれた。また5月物の売買の期限が翌日の21日までで市場の参加者が少なくなっていたことから、極端な取り引きを行わざるを得なかった」と背景を説明しました。

そのうえで小山首席研究員は「今回のマイナス価格は瞬間風速的なもので、原油価格の実体を反映しているものではなく、すぐに経済に影響を及ぼすとは考えにくい。しかし価格に大幅な下押し圧力があるのは確かで、今後の下がり方次第では世界経済や日本経済に影響が出てくることも考えられる」と指摘しました。

今後の原油価格の見通しについては「原油の需要が減少している根本的な原因となっている新型コロナウイルスの感染拡大が収束に向かうかどうかが最大の鍵となる。その先行きが見えなければ原油市場が上向く展望は描きにくく、年内は低い価格で推移する可能性が高い」と分析しています。