“対策に生かして”新型コロナウイルス感染者が実名で証言

“対策に生かして”新型コロナウイルス感染者が実名で証言
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新型コロナウイルスに感染して入院している、埼玉県川越市の37歳の男性がNHKのインタビューに実名で応え「症状が出てから9日間自宅で過ごさざるをえず、妻や幼い子どもが感染しないか不安だった」と家庭内感染への不安を語りました。
インタビューに応えたのは埼玉県川越市で飲食店を経営している小島大補さん(37)です。今月8日に新型コロナウイルスへの感染が確認され、現在も入院中ですが、症状は安定しています。

病気についての理解を広め、対策に生かしてほしいと取材に応じました。

入院までに9日間

最初に異変を感じたのは今月1日で、「のどの痛みを感じて、かかりつけの耳鼻咽喉科を受診したところ、へんとう炎と言われたが、翌日に熱が急激に上がった。インフルエンザよりもつらく、一気に体が重くなりました」と説明しました。

そのうえで「病院で出された解熱剤を飲んでも熱は下がらず、3、4日たっても改善の兆しが見えなくてとても不安でした」と話しました。

このため、新型コロナウイルスの感染を疑い埼玉県の窓口に電話で相談しましたが、4日間様子を見るように言われ、PCR検査を受けられたのは今月7日でした。

そして翌日に陽性と診断されましたが「病院が空いたら連絡します」と言われて入院できず、今月10日まで自宅で療養せざるをえませんでした。

自宅マンションの生活は

自宅は2LDKのマンションで、家族への感染を防ぐために妻と2歳の長女、1歳の長男とは別の部屋で寝起きし、トイレは使うたびに消毒して、風呂は最後に入るようにしたということです。

当時の心境について「なるべく家族に近寄らないようにしていたが、子どもは病気のことをわからず、こちらが避けても近づいてくる。風呂やトイレはどうしても一緒のものを使わなければならず、怖かったです」と語っています。

お客さんにうつしたら…

また、症状が出てからは経営している飲食店には出勤しませんでした。

「家族なら、うつっても『ごめんね』で許されるかもしれないけれど、スタッフやお客さんはそれでは済まされない。スタッフや年配のお客さんの顔が頭に浮かんで自分のせいで死んでしまったらどうしようかと考えました」と話しました。

これまでのところ、妻や子ども、それに店の従業員に感染が確認された人はいないということです。

『自宅で過ごしてほしい』

小島さんは「手洗いやうがい、マスクの着用などできることは全部やって遊びに行くのも控えていました。毎日、電車で通勤している人よりも行動範囲も狭いのに、それでも感染してしまった。1人でも多くの人が感染しないように、みんなが少しずつ我慢をして自宅で過ごしてほしいと思います」と訴えていました。