博多伝統の夏祭り「博多祇園山笠」は新型コロナウイルスの感染拡大を受けてことしは中止し、来年に延期されることが正式に決まりました。

毎年７月１日から15日にかけて行われる「博多祇園山笠」は、勇壮な舁（か）き山笠と豪華絢爛（けんらん）な飾り山笠で知られる博多伝統の夏祭りで、期間中、およそ300万人の人出があります。

祭りを主催する博多祇園山笠振興会は各流の代表者などが集まった総会を開き、多くの観光客が集まる祭りは新型コロナウイルスの感染のリスクがあるとしてことしは中止し、来年に延期することを全会一致で決めました。

ことしは恵比須流が一番山笠の予定でしたが、舁き入れ順はそのまま来年に持ち越すということです。すべての舁き山笠と飾り山笠は作られませんが※櫛田神社に常設されている飾り山笠のみ作り替えられ、疫病退散を祈願する７月15日の神事は関係者だけで行うということです。

「博多祇園山笠」は太平洋戦争で中断されましたが、今の形で再開した昭和23年以降、中止は初めてだということです。

振興会の武田忠也会長は記者会見で「福岡だけでなく世界中がこのような状態で、到底まつりという状況ではないと判断した。山笠関係者、市民ともに残念だと思う。コロナウイルスがどれほどで収束するか分からないが、来年度はできるようにしていきたい」と話しました。

※櫛は木偏に「節」