「感染者理由にキャンセル」対策求め県に要望書 群馬 玉村町

「感染者理由にキャンセル」対策求め県に要望書 群馬 玉村町
群馬県玉村町の福祉事業所で職員4人の感染が確認されたあと、玉村町の事業所というだけで利用をキャンセルされるなどの被害が出ているとして、町の福祉事業所でつくる団体が県に対策を求める要望書を提出しました。
要望書を提出したのは、玉村町の福祉事業所でつくる団体「玉村地区地域包括ケアネットワーク会議」です。

介護などを手がける町内の福祉事業所1か所で、職員4人の感染が判明したことから、影響について町内にある78の介護関連の事業所にアンケートを行ったところ、74事業所から回答がありました。

具体的には「訪問看護のため利用者の自宅を訪れたら部屋に入るのを断られた」「利用者からののしられた」などの被害のほか、「町外のケアマネージャーから玉村町の事業所の利用が不安」との声や「感染者が出たことを理由にキャンセルがあった」などの回答があったということです。

団体は、こうした被害を防ぐため、県庁を訪れて20日要望書を提出し、感染者が出た事業所を速やかに公表するとともに、感染者の感染経路や行動の正確な情報を開示するよう求めています。

また、玉村町の事業所の収入が減って雇用にも影響が出るとして、対策をとるよう求めています。

団体の大野雅弘代表は「福祉事業所で感染者が出た場合、全国各地で周りの事業所が、同じような思いをしているのではないか。県や市町村は現場の状況を理解して、一緒に対策を考えてほしい」と話していました。

群馬県介護高齢課の島田和之課長は「福祉現場の人たちが強い不安を感じていることが改めて分かったので、市町村とも相談しながら、できるところから早急に取り組んでいきたい」と話していました。