新型コロナの抗体検査 「不明点多い」 WHO危機対応統括

新型コロナの抗体検査 「不明点多い」 WHO危機対応統括
欧米各国で外出制限措置の解除や経済活動の再開を判断する際の指標の1つとして議論されている新型コロナウイルスの抗体検査を巡り、WHO=世界保健機関の危機対応の責任者は検査の技術は十分に検証されておらず、抗体に関しても不明な点が多いという認識を示しました。
WHOで危機対応を統括するライアン氏は17日の記者会見で、新型コロナウイルスの抗体検査を巡り、「どのような検査をするかを明確にする必要があるが、効果の面からも不確実な点が多い」と述べて、検査の技術は十分に検証されていないという見方を示しました。

そのうえで「初期段階の情報の多くは現時点で抗体ができている人の割合はごくわずかにすぎないことを示している」と述べ、現時点では抗体に関する情報が少ないと指摘しました。

さらに大多数の人が感染して抗体を獲得することで、感染の連鎖が断ち切られ、感染していない人を保護できるという「集団免疫」に関して、「多くの人がすでに免疫を獲得し、集団免疫が獲得されているのではないかという期待があるが、全般的な証拠からはそのような状態になく、解決策にはならないかもしれない」と述べました。

さらに「抗体のある人が再び感染しないかどうかは誰にも分からない」と述べ、抗体ができたとしても2度目の感染を防ぐことをできるかどうかもわからないとして、抗体に関しても不明な点が多いという認識を示しました。