イタリア 外出制限緩めれば再び感染拡大も 研究所が警告

イタリア 外出制限緩めれば再び感染拡大も 研究所が警告
アメリカに次いで新型コロナウイルスの感染による死者が多いイタリアでは、政府の研究所が人口の9割以上は依然、感染しやすい状態にあるとして、外出制限などの措置を緩めれば感染が再び広がりかねないと警告しました。
イタリア国立衛生研究所のブルザフェッロ所長は16日、記者会見で、新型コロナウイルスに感染して抗体ができている人がどれくらいいるか調査を進めていると明らかにしました。

そして、地域によって異なるとしながらも「イタリアの人口の90%以上は感染していないと推計される。つまりほとんどの市民はまだ感染しやすいということだ」と述べ、人口の9割以上は依然、感染しやすい状態にあると指摘しました。

また、ブルザフェッロ所長は、感染拡大を起きにくくするには人口の7割から8割がウイルスへの抗体を持つ必要があるものの、これをすぐに実現するのは現状では難しいとして、人と人との接触を避ける外出制限などの措置を緩めれば感染が再び広がりかねないと警告しました。

イタリア政府は全土での外出制限を来月3日まで続けるとしていますが、解除に向けては感染の拡大をどう防ぐかが大きな課題となりそうです。

イタリアでは、人口およそ6000万人のうち124万人余りが検査を受け、このうち17万2434人の感染が確認されましたが、検査が十分にできていないという指摘もあり、実際の感染者はこれよりも多いとされています。