米NY州知事「資金出さず責任押しつけ」大統領を批判

米NY州知事「資金出さず責任押しつけ」大統領を批判
アメリカのトランプ大統領が経済活動の再開に向けた指針を発表し、各州の知事に判断を求めたのに対し、感染拡大が最も深刻なニューヨーク州のクオモ知事は、再開には政府の支援が不可欠だとしたうえで「資金も出さずに責任を押しつけている」と批判しました。
クオモ知事は17日の記者会見で、前日にトランプ大統領が経済活動の再開に向けた指針を示す中、現状や課題を説明しました。

クオモ知事は、現在も州内で新たに入院する患者が1日2000人近くいるとしたうえで、経済活動の再開には入院患者のさらなる減少に加え、新型コロナウイルスへの抗体があるかどうかなどを調べる抗体検査を広く実施する必要があると指摘しました。

一方で、検査の拡大と経済活動の再開は「連邦政府の支援なしに実現できない」として、政府に資金面での支援を求めました。

そのうえで、トランプ大統領が、経済再開の判断は各州の知事が下すことになる、としていることをめぐり、「資金を出さずに責任を押しつけている」と批判しました。

さらにトランプ大統領が、支援を要請するクオモ知事を批判していることに関しては「もし家でテレビを見ているだけなら、立ち上がって仕事に戻るべきだ」と述べました。

これに対してトランプ大統領はクオモ知事の会見のさなかにツイッターに「クオモ知事は不満を言う時間を減らして仕事をするべきだ」と投稿しました。

ニューヨーク州は感染者が22万2284人、亡くなった人は1万2822人と全米で感染拡大が最も深刻で、危機の克服には政府と州の協力が欠かせないだけに、両者の関係の行方が懸念されます。

クオモ知事は準備怠った トランプ大統領が批判

トランプ大統領はクオモ知事について17日、ツイッターに「クオモ知事は愚かにも4万台の人工呼吸器を欲しいと言っている。われわれはそのうちの一部を提供したが、それでも十分だ。州は自分たちで備蓄しておくべきだった」と投稿し、クオモ知事は準備を怠った責任を転嫁していると批判しました。