在宅介護「もう疲れ果て」感染拡大で物品不足や介護事業休業

在宅介護「もう疲れ果て」感染拡大で物品不足や介護事業休業
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介護事業所の休業が相次ぐなど、新型コロナウイルスの影響で、これまでどおりのケアが難しくなる中、自宅で家族の介護などをしている人の多くが衛生用品の不足や精神的負担の増加で困っていることが、介護者を支援する民間団体が行ったアンケートでわかりました。
このアンケート調査は「日本ケアラー連盟」が先月下旬に、高齢や病気の家族、障害がある子どもなどを自宅などで介護したり看病したりしている人を対象にインターネットを通じて行い、381人が回答しました。
この中で、自分が新型コロナウイルスに感染した場合の代替策を考えているか複数回答で尋ねたところ、
▽「まだ考えていない・どうしたらよいのかわからない」が52%、
▽「代わりの人はいない」が51%といずれも半数を超えました。
また、感染拡大の影響で今困っていることを複数回答で尋ねたところ、
▽「マスク・消毒液などが足りない・手に入らない」が70%、
▽「精神的負担・ストレスが増している」が55%、
▽「身体的な疲労感が増している」が33%、
▽「介護・福祉サービスなどが足りない・頼みにくくなった」が20%でした。

さらに、問題が長期化した場合に、どのような支援が必要か複数回答で尋ねたところ、
▽「マスク・消毒薬などの優先的な配付などをしてほしい」が66%、
▽「緊急時の要介護者へのサービスや受け皿がほしい」が64%、
▽「介護・福祉サービスが、現状どおり供給できるようにしてほしい」が46%でした。

自由記述には、
▽「現在の国や自治体の対策では、日常的に支援が必要な人が感染するなどして隔離・入院になった場合のことが想定されていない」、
▽「もともと介護者は孤立しやすいうえに、さらなる孤立で家族はもう疲れ果てています」などと、不安や疲労を訴える声が数多く寄せられました。

日本ケアラー連盟の牧野史子共同代表理事は、「介護する人への支援がなければ生活が破綻したり共倒れになったりするおそれがあり、ストレスによる虐待やうつ病になる人が増えるおそれもある。命に直結する問題が非常に多いので、早急な対策を望んでいる」と話していました。