新型コロナで困窮 ひとり親世帯に弁当提供 埼玉 吉川

新型コロナで困窮 ひとり親世帯に弁当提供 埼玉 吉川
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、生活が厳しくなっているひとり親家庭を支援しようと、埼玉県吉川市は、市内の飲食店から買い付けた弁当を提供する取り組みを始めました。
支援団体などによりますと、新型コロナウイルスの影響で、ひとり親世帯では収入の減少に加え、学校の休校で食費など支出が増加し、生活がより苦しくなっているという家庭が増えているということです。

こうした状況を受けて埼玉県吉川市では、市内のひとり親世帯の子どもなど100人余りに対して今月13日から弁当を提供する取り組みを始めています。

提供する弁当は、新型コロナウイルスの影響で売り上げが落ち込んでいる市内10か所の飲食店から、日替わりで市が買い付けていて17日は、午前中、4つの飲食店から市役所に弁当が届けられました。

そして正午から弁当の提供が始まると、母親や子どもたちが次々と訪れて弁当を受け取っていました。

吉川市子育て支援課の桜井健一課長は「生活が苦しい家庭も増えてきているので、市としても全力で取り組んでいきたい。こういう状況なので、少しでも飲食店の力にもなれればいいと思います」と話していました。

吉川市では、来月1日までの平日の昼に弁当を提供することにしています。

母親 「食費がかかるので助かっている」

4人の子どもがいるという母親は「給食がなくなって、食費などのお金がどんどんかかってしまうので、ありがたい。私1人の収入しかないので、もし職場で感染者が出て休業になったら、どうするかという心配がある。5月の大型連休明けに、学校が再開できるのかもわからないので不安は大きいです」と話していました。

また、小学2年生の男の子がいるという母親は「毎日朝昼晩、ごはんを作らなければならず、食費がかかるのですごく助かっています。パートの仕事は来月6日まで休みになり、その間は休業補償があると言われていますが、この先どうなるかわかりません。子どもも、どこにも行けない状況でストレスもたまってきてイライラしています。いつになったら通常の生活に戻れるのか不安です」と話していました。

弁当を卸す店「助けになっていると思うとやりがいも」

この取り組みに参加し、弁当などを販売する吉川市内の病院の売店を経営する赤出川哲宏さん(31)は「病院に来る人も減っていて、売り上げが半分近く落ちているのでありがたいです。少しでも、生活が苦しい人たちの助けになっていると思えば、やりがいもあるし、もっとおいしいものを作ろうと思えます。なんとか、みんなで助け合ってふんばりあって頑張りたいです」と話していました。