世界で亡くなる子ども 最大30万人以上増 新型コロナ 国連試算

世界で亡くなる子ども 最大30万人以上増 新型コロナ 国連試算
国連は新型コロナウイルスの世界的な流行によって、ことし1年間に世界で亡くなる子どもが流行前の予測と比べて最大で30万人以上多くなるという試算を発表し、グテーレス事務総長が緊急のアピールを行いました。
国連が16日に発表した報告書によりますと、新型コロナウイルスが市民の暮らしや社会にもたらす悪影響が原因でことし1年間に世界で死亡する子どもの数は、感染が確認される前の予測と比べて19万5000人から33万人多くなるという試算を公表しています。

またこの1年間に世界で新たに4200万人から6600万人の子どもが、1日1.9ドル未満で暮らす貧困層に転落すると予測しています。

報告書は世界143か国の3億6850万人の子どもが学校が休校になった影響で給食がなくなり、栄養を確保するための手段が必要になっていると指摘するとともに、外出制限が長引くことで子どもが暴力を受けたり不衛生な環境に置かれたりするリスクが高まると警鐘を鳴らしています。

国連のグテーレス事務総長は、報告書に合わせたビデオメッセージで「あまりにも多くの子どもたちが危険にさらされている。子どもの命と福祉を守ろうと訴えたい」と述べて、各国の政府に対して子どもの命を守るための対策を取るよう訴えました。