「感染者の家族ですら検査を受けられない」入院先から訴え

「感染者の家族ですら検査を受けられない」入院先から訴え
今月、新型コロナウイルスへの感染が確認された兵庫県の60代の男性が16日、入院先の病院から電話でのインタビューに応じ、感染が判明したあとも同居する家族が検査の対象外とされ、なかなか検査をしてもらえなかったとして「検査を徹底してほしい」と訴えました。
NHKの電話取材に応じたのは、兵庫県内に住む60代の男性です。

男性は同居する父親が利用していた介護施設で先月、新型コロナウイルスの集団感染が起き、父親は検査で陰性だったものの不安があったため、マスクの着用や手洗いなどの感染予防を徹底していました。

しかし今月6日、38度台の熱があり、検査した結果、感染が確認されました。

いまは兵庫県内の病院に入院していますが、熱はあるものの症状は軽く、15日からはアビガンを服用しているということです。

判明後、男性は同居する90代の両親など家族も同様に感染しているおそれがあるとして保健所に検査を求めましたが、「検査の対象にならない」と断られたといいます。

このときのやり取りについて男性は、「母は昨年末、肺の病気で入退院を繰り返していました。90歳を超えていてコロナに感染したら命が危ない。『死んでしまったら保健所は責任をとれるのか』と訴えた」と振り返りました。

保健所に強く求めた結果、家族も検査を受けることになり15日、母親も陽性と確認されたということです。

母親は熱などの症状があり、16日入院することになったということです。

男性は検査が十分行われず、感染が見逃されているのではないかとして「感染者の家族ですら、検査を受けられないと言われたことは納得できない。もし自分が検査を受けられていなかったら、知らずにウイルスをまき散らしていたかもしれない。PCR検査を徹底して、感染を広めてしまうのを一刻も早く阻止しなくてはならない」と訴えました。