新型コロナ感染検査強化 都内にPCRセンター47か所設置へ

新型コロナ感染検査強化 都内にPCRセンター47か所設置へ
東京都医師会は、新型コロナウイルスに感染したかどうかを確認するPCR検査の態勢を強化するため、検体を採取する「PCRセンター」を、都内47か所に設置する方向で検討していることが分かりました。
新型コロナウイルスに感染したかもしれないという人は、まず保健所などの相談センターに連絡し、必要と判断されると、一般公開されていない専用の外来を受診してPCR検査を受ける仕組みになっていますが、感染の拡大に態勢が追いつかず、検査を受けられないという声が上がっています。

こうした現状を踏まえて、東京都医師会はPCR検査の態勢を強化しようと、検体を採取する場として新たに「PCRセンター」を医師会のある都内47か所に設置する方向で検討していることが分かりました。

PCRセンターは各自治体と地元の医師会が中心となって立ち上げます。

患者は、掛かりつけ医を受診して感染の疑いがあると判断された場合にPCRセンターを訪れ、検体を採取されます。

PCRセンターには地元の開業医などが交代で勤務し、検体の採取に当たります。

そして、採取された検体は民間の検査機関に送られ、結果は掛かりつけ医を通じて患者に伝えられるということです。

東京都医師会によりますと、PCRセンターは各地で順次開設されるということで、東京都医師会の角田徹副会長は「検査態勢を拡充することで、診断がつかない患者を減らし、感染拡大の防止と適切な治療につなげていきたい」と話しています。

都内の総合病院に「発熱外来」診療を待つ行列も

東京都内の総合病院の中には、新型コロナウイルスの感染が疑われる患者を診療する際に院内感染を防ぐため通常の診療とは異なる「発熱外来」を設けて対応に当たっているところがあります。

中には多くの患者が訪れ、順番待ちの列ができている病院もあるということです。

医療機関を訪れる患者に発熱などの症状がある場合、新型コロナウイルスの感染が疑われることから、都内の総合病院の中には院内感染を防ぐために「発熱外来」として専用の診察室を設けたり、建物の外にテントを設置したりして診療を行っているところがあります。
このうち国立国際医療研究センター病院では、今月上旬から敷地内にテントを設けて「発熱外来」を行っていますが、連日100人規模の患者が訪れる状況が続いているということです。

今月8日に撮影された写真からは、診療を待つ多くの患者が間隔を空けて並んで列ができている様子が確認できます。

PCR検査 東京 千代田区が独自の診療所設置へ

一方、東京 千代田区は独自の取り組みとして、PCR検査の検体を採取する診療所を新たに設置し、来週にも運用を始めることにしています。

この診療所は、区役所の近くにある広場にテントを使って設置され、近くの病院から医師と看護師が派遣されます。

診療所では、感染の疑いがあるものの症状が軽いことなどを理由に保健所ではPCR検査を断られる可能性があると医師が判断した住民を対象に検体の採取を行うということです。

また、検査は民間の検査機関が行うということです。診療所は来週24日をめどに開設され、当面は週3回、1日2時間程度、運用するということです。

千代田区では、従来の検査に加えてもう1つの検査の流れを作り、重症ではない患者についても、感染の有無が判定しやすい態勢を整えたいとしています。

これによって千代田区で行うことができるPCR検査は、現在の1日10件から最大30件に増える見込みだということです。

千代田区の石川雅己区長は「感染拡大の防止には早期の検査と治療が第一だ。住民の生命を守るためスピード感を持って対策に取り組みたい」と話しています。