ANAグループ 医療用ガウンの縫製作業など 今月末から開始へ

ANAグループ 医療用ガウンの縫製作業など 今月末から開始へ
新型コロナウイルスの感染拡大で不足が懸念されている医療用ガウンの縫製業務の支援について、ANAグループは空港で働く社員などから希望者を募り、今月末から一日30人程度で簡単な縫製作業などを行っていくことを明らかにしました。
新型コロナウイルスの感染拡大で医療関係者が患者と接する際に着るガウンの不足が懸念されていることを受けて、ANAグループは政府に、航空便の運休などの影響で、業務量が減っている社員を中心にメーカーの縫製業務を支援すると申し出ていました。

ANAグループは16日、その支援の内容について公表し、それによりますと、客室乗務員や旅客係員など空港で働く社員に加え、グループ内で職種や性別を問わず希望者を募り、今月末から、大田区にある訓練センターでガウンの一部をミシンで縫う簡単な縫製や補助作業に一日30人程度を充てるとしています。

縫ったガウンは奈良県にある、全国の縫製技術を持った職人を取りまとめる合同会社に納品されるということです。

全日空グループでは客室乗務員に加えて空港で働く社員など合わせて1万6000人を一時的に休業させることにしていて、「新型コロナウイルスの感染拡大という社会的な危機に際し、業界・業務の垣根を越えて職種を問わず貢献したいと考え、医療用ガウンの縫製に協力することにした」とコメントしています。

住友化学 医療用ガウンの原材料の調達を支援

新型コロナウイルスの感染拡大で医療用ガウンの不足が懸念されていることから、化学メーカー大手の住友化学は原材料の調達を支援するため、農業用に使われるポリエチレンフィルムを供給することになりました。

医療用ガウンは、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で医療現場での不足が懸念されています。

こうした中、住友化学はグループ会社が作る「ポリエチレンフィルム」を医療用ガウンを製造する企業に供給することを決めました。

ポリエチレンフィルムは、一般的には農業用ハウスなどに使われるものですが、今回、住友化学が供給する製品は0.02ミリの薄さで一定の強度があり、畑で農作物を害虫から守るためのフィルムなどとして使われていて、住友化学では医療用ガウンおよそ30万着分にあたる量を供給することにしています。

また今後、さらに政府からの要請があれば、フィルムを追加で供給することにしていて、住友化学では「今後も行政などと連携して最大限の支援策を検討したい」としています。

阪大病院 ポリ袋でガウンの代用品の作り方を紹介

新型コロナウイルスの感染拡大で、医療現場で防護服の不足が深刻になっていることから、大阪大学医学部附属病院は、手作りでポリ袋から代用品をつくる方法をホームページで公開しました。

病院が公開したのは、感染症対策として医師や看護師らが着用する防護服=ガウンの代用品の作り方です。

90リットルのポリ袋を、はさみを使って開き、首を通す部分を作り、脇の部分で縛ることができるよう加工するための手順が掲載されています。

この病院では感染症の患者以外の治療に使うものも含めて、1日におよそ1000枚のガウンを使います。

しかし、感染拡大の影響でガウンは不足しがちだということで、病院では今月上旬から、スタッフによる手作りのガウンを使っています。

作り方をホームページで公開したところ、ほかの医療機関からも「この方法を参考にして手作りすることにした」という連絡も入っているということです。

大阪大学医学部附属病院は「寄付の申し出が多く寄せられ感謝しています。困っているのはどこの医療機関も同じなので、当院だけでなく、さまざまな医療機関を支援してほしい」とコメントしています。