医師不足で「無給医」も動員 厚労省に対策要請 医師の労働組合

医師不足で「無給医」も動員 厚労省に対策要請 医師の労働組合
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、患者の治療にあたる大学病院で医師不足のため大学院生などのいわゆる「無給医」も前線に立たされているとして、医師で作る労働組合が厚生労働省に対策をとるよう要請しました。
医師の労働組合「全国医師ユニオン」は16日、厚生労働省に対し、新型コロナウイルスへの対応について緊急の要請を行いました。

それによりますと、患者の増加に伴い、多くの医療現場では、対応する医師が不足し、中には、いわゆる「無給医」も動員されている大学病院もあるとしています。

「無給医」とは、実習や研究などの名目で診療にあたっている大学院生などのことで、受け取るべき給与の全額または大半が支払われず、労働者としての権利が認められにくいことなどが問題となっています。

感染拡大が続けば、「無給医」の動員も増えていくおそれがあるとして、医師の労務管理の徹底と、賃金や労災の保障などについて国が対策をとることを求めました。

また、物資不足も深刻で、医療用マスクが1人につき1週間で1枚しか配られなかったり、医療用手袋を洗って再利用したりしている病院もあるということです。

要請では、医療従事者の身を守るため、必要な物資の数を早急に把握して医療機関に優先的に供給するシステムを確立することも合わせて求めました。

全国医師ユニオンの植山直人代表は「無給医を含めた医療従事者を守るため国は早急に対応すべきだ」と訴えています。