臨時休校 小中学校の授業 学年ごとに動画で撮影し公開 千葉 柏

臨時休校 小中学校の授業 学年ごとに動画で撮影し公開 千葉 柏
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で多くの学校で臨時休校が続き、教育への影響が懸念されるなか、千葉県柏市は小中学生に家庭での学習を進めてもらおうと、授業を動画で撮影して公開する取り組みを始めました。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、千葉県内の公立の小中学校はほとんどが先月初めから休校となり、柏市でもおよそ3万2000人の小中学生が登校できない状況になっています。

このため柏市教育委員会は、予定していた授業の内容を学年ごとに動画で撮影し、動画配信サイトで公開する取り組みを今週から始めました。

配信される科目は、小学生向けには主に算数、中学生向けには数学と英語で、1回の授業で学ぶ内容を15分ほどの動画にまとめているということです。

今週月曜日には、このうち小学3年生向けの算数の授業の撮影が行われ、教育委員会の玉川康博指導主事がおはじきや図表などを使いながら、「かけ算の九九の見直し」の授業を行い、ボランティアを申し出た映像制作会社を経営する保護者が撮影していました。

玉川さんは「子どもたちが前におらず、反応もない中での授業なのでやりづらかったが、一方的な講義ではなく画面を通して会話することを意識しました」と話していました。

収録された動画は今週から動画配信サイトに投稿され、小中学生がパスワードを入力して視聴するということです。

投稿された動画を自宅のパソコンで視聴した小学校5年生の女の子は、「難しかったけどちゃんと説明してくれるので分かりやすかった」と話していました。

女の子の母親は「学習面での遅れが心配なので助かります」と話していました。

柏市教育委員会指導課の逆井俊彦課長は、「休校が続けば子どもたちの学習意欲や学力が低下し、教育の危機となってしまう。まずはできることから始めることが大事だと思う」と話していました。

柏市は自宅にインターネット環境が整っていなくても視聴できるよう、休校中の学校のパソコンで動画を視聴できるようにしているということです。

中学校の先生がこまめに家庭学習課題添削 千葉 勝浦

千葉県勝浦市にある「勝浦中学校」は勝浦市内唯一の中学校で、300人余りの生徒が在籍していますが、先月から臨時休校が続いています。

こうした中、生徒の学習をサポートしようと中学校では生徒に毎週、課題のプリントを配布して回収したうえ、添削する取り組みを今週から始めました。

先生が各家庭を訪問して生徒に課題のプリントを配布し、訪問の際は感染拡大防止のため生徒に自宅の外まで出てきてもらったうえ、2メートルほど距離をとって体調に変化がないかや、家庭学習で分からない点がないか聞き取っていました。

中学校では当初、毎週、こうした家庭訪問を行う予定でしたが、感染拡大を防止するため接触を極力減らす必要があると判断し、来週以降は郵送で課題をやり取りして添削を行うほか、毎週、電話をして質問や生活相談を受けることにしたということです。

家庭訪問を受けた中学3年生の女子生徒は「授業を受けられないことが心配です。早く学校に行きたいです」と話していました。

また、同じクラスの男子生徒は「毎回やらないとという意識が出るので、いいと思います」と話していたほか、男子生徒の祖母も「子どもたちにとっては、メリハリがついていいんじゃないかと思います」と話していました。

勝浦中学校の高品亮輔学年主任は「教員として、子どもたちのためにできることは何かを考えています。子どもたちにはこまめに課題を出したほうがいいと考えて始めましたが、回収したプリントを見るとしっかり勉強しているようで、効果はあると思います」と話していました。

「元気出して」先生からのメッセージ 防災無線で 千葉 多古町

千葉県多古町では、先月から3つの小学校と1つの中学校が臨時休校になり、合わせておよそ850人の児童と生徒は、春休みが終わって新学期になっても登校できない日々が続いています。

多古町教育委員会は、ふだんと異なる生活を強いられている子どもたちに元気を出してもらおうと、毎日、午前と午後の2回、先生たちのメッセージを防災無線で放送しています。

メッセージは、それぞれの学校から2人の先生が町役場を訪れて録音していて、この日は多古第一小学校の高橋志穂先生が収録に臨みました。

高橋先生は「みんな元気にしていますか。きょうは歌のプレゼントです。みんなの顔を思い浮かべながら先生たちが歌いました。一緒に歌うよ」と呼びかけたあと、録音してきた校歌をその場で流しました。

そして「今が頑張りどきです。寂しいときやつらいときには、校歌を口ずさんでみてくださいね」とメッセージを送りました。

収録を終えた高橋先生は「子どもたちが規則正しく生活できているかなとか、心が大丈夫かなとかいうのを心配しています。私たちの声を聞いて、今を頑張ってほしい」と話していました。

そして翌日、メッセージは、町内に向けて放送されました。

先月まで高橋先生が担任だった小学5年生の山田七海さんは、「先生のみんながいろいろ言ってくれるから、その顔を思い出しながら放送を聞きました。コロナウイルスの感染拡大が止まって、みんなと、学校で楽しくやっていきたい」とネットでのインタビューで話していました。

多古町教育委員会の岩立元夫教育長は「子どもたちと先生が少しでもつながりを持てるように、休校中はずっと放送を続けていきたい」と話していました。

専門家の見方は

臨時休校が長引く中で、子どもたちの学習をどう支援するかについて、学校教育に詳しい千葉大学教育学部の藤川大祐教授は、「休校中の課題をまとめて出す学校もあるが、子どもが毎日、家庭でコツコツ学習するのは実はかなり大変なことだ。家庭学習を促すには、子どもへのアプローチの頻度を増やすことが必要で、できれば、担任といった子どもに近い立場の先生が双方向で連絡し合えるような仕組みが望ましい」と指摘しています。

そのうえで、今後の課題として「休校期間の学習をすべて家庭で行うことは、さまざまな工夫をしても無理があり、おそらく半分程度しかカバーできないと思う。大型連休開けに学校が再開できるかどうかも不透明だが、再開後にどうやって学習が足りない分を取り戻すかや、どのような感染防止策を取って授業を再開するのかについて、教育委員会や学校が速やかに検討し公表すべきだ」と話しています。