「10万円一律給付」補正予算案成立後に検討の構え 政府・自民

「10万円一律給付」補正予算案成立後に検討の構え 政府・自民
新型コロナウイルスの感染拡大を受けた経済対策で、公明党は、現金10万円の一律給付を、補正予算案を組み替えて実現するよう求めました。これに対し、政府・自民党は、組み替えには応じず、補正予算案の成立後、検討を本格化させる構えです。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けた経済対策で、公明党の山口代表は、15日安倍総理大臣に、所得制限を設けずに1人あたり現金10万円を給付するよう求め、安倍総理大臣は「方向性を持って検討する」と述べました。

また、断続的に行われた与党協議で、公明党は収入が減少した世帯への30万円の現金給付は国民の評価が厳しく、それに代わる一律給付を早期に行うべきだとして、今年度の補正予算案の組み替えを求めました。

これに対し自民党は、補正予算案は閣議で決定しているうえ、組み替えを行えば、経済対策全体の実行が遅くなり応じられないという考えを伝えました。

政府・自民党としては、予定どおり30万円の現金給付などの経済対策を盛り込んだ補正予算案を来週、成立させたうえで、一律給付の検討を本格化させる構えです。

仮に、国民1人あたり10万円を一律給付した場合、単純計算で、およそ12兆円の財源が必要となることから、所得制限を設けるかどうかや、財源をどう確保するかなどが焦点となる見通しです。

一方、野党側は、10万円の一律給付は、以前から野党が主張していたことだとして、補正予算案の組み替えを求めるなど、政府の対応を追及する方針です。

官房長官 補正予算案の組み替えに否定的

菅官房長官は、午前の記者会見で「10万円の給付については、きのう公明党の山口代表からの要請に対して、安倍総理大臣から『まずは政府 与党として決定している緊急経済対策を実施するため、補正予算案を成立させることに全力を挙げ、その後、方向性を持ってよく検討したい』と応答している」と述べました。

そのうえで「現在の補正予算案では、収入が減少した世帯を対象に30万円を給付する予定であり、政府としては与党とよく連携して補正予算案を速やかに成立させていただくことが重要だ」と述べ、現金10万円の一律給付を実現するため、補正予算案を組み替えることには否定的な考えを示しました。

麻生副総理 官邸へ

麻生副総理兼財務大臣は、16日午前11時半ごろ、総理大臣官邸に入りました。

収入が減少した世帯への30万円の現金給付や、公明党が求めている現金10万円の一律給付などをめぐって、安倍総理大臣と意見を交わしているものとみられます。