感染出ても事業継続へ 中小企業も危機対応の計画作り急ぐ

感染出ても事業継続へ 中小企業も危機対応の計画作り急ぐ
新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない中、大企業だけではなく、中小企業の間でも従業員が感染したとしても事業を続けられるよう、感染症を想定した危機対応の計画作りを急ぐ動きが出ています。
埼玉県上尾市で青果市場を運営する「埼玉県中央青果」です。従業員はおよそ70人。危機対応のマニュアルとして企業が自主的に作るBCP=事業継続計画は、この企業の場合、地震や台風などの災害を想定していて、感染症は想定外でした。

このため、今回の感染拡大を受けて、急きょ、先月下旬に計画作りを始め、14日から新たな危機対応の計画に基づいた態勢を組みました。

最大のポイントは事務所内の密集を避けることです。生産者への問い合わせや仲卸業者からの受注を出勤せずに自宅で電話で行う班と、事務所で伝票入力する班に分け、出勤者を半分にします。出勤の際、体温や体調を申告することも盛り込みました。また、野菜や果物の個別の担当を、1人が感染した場合に備えて複数で情報共有することも明記しました。

従業員の1人は、「スタートしたばかりで不慣れな点はあるが、感染者が出て一気に業務が止まるといけないので慣れていきたい」と話していました。

ただ、急きょ作った計画だったため、従業員に感染者が出た場合に、消毒のため市場を一時閉鎖するのかや、出入りする業者に感染者が出た場合の対応など、検討中の事項も残されました。

埼玉県中央青果の齊藤弘昭管理本部長は、「今の態勢だと出勤する社員は通常より5割近く業務量が増え、疲弊する可能性がある。事態がさらに長期化すれば、さらに考え直したい」と話しています。

企業の危機管理を支援する「ニュートン・コンサルティング」の副島一也社長は、「感染症まで想定した計画を作っていた大手企業でも、実際に起きるとこれだけ混乱して対応が難しい。中小企業もふだんから戦略を立てておくことが重要だ」と話しています。