車いすテニスの第一人者 国枝慎吾選手「いまは我慢の時」

車いすテニスの第一人者 国枝慎吾選手「いまは我慢の時」
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車いすテニスの第一人者、国枝慎吾選手が新型コロナウイルスの影響で東京パラリンピックの延期の決定後、初めてインタビューに応じ「体も気持ちも力が抜けた。いまは我慢の時」などと、率直な心境を明かしました。
車いすテニスの男子シングルスで世界ランキング1位の国枝選手は、東京パラリンピックで2大会ぶりの金メダル獲得が期待され、ことしは四大大会初戦の全豪オープンで優勝するなど8月に開幕する予定だったパラリンピックに向け好調を維持していました。

国枝選手は15日、パラリンピックが1年後に延期された後、初めて、NHKのインタビューに応じました。

国枝選手はパラリンピックの延期について「ことしに合わせて調整を続けてきて、全豪オープンで優勝するなど、すごく良いスタートが切れていたので、延期を聞いたときには体も気持ちも両面で力が抜けた」と率直な気持ちを明かしました。

そのうえで「スポーツは平和なくしては成り立たない、ということをこの数か月間、痛感している。ウイルスの終息後に明るいニュースの象徴として、スポーツのニュースを届けたいので、今はそれに向けて準備する我慢の時だと思っている」と心境を述べました。

車いすテニスのツアー大会は四大大会のウィンブルドン選手権が中止されるのをはじめ、ことし7月中旬までの大会の中止または延期が決まっていて、再開の見通しは立っていません。

世界中のスポーツが停滞を余儀なくされる中、国枝選手は「無理して気持ちを上げようとは思わず、今は電源を切っているし、それでいいと思う。この問題が収まれば、おのずと気持ちもいままで以上に『よし、やるぞ』となると思う。ウイルスが終息したあとに皆さんがスポーツの価値を改めて感じてくれる機会がやってくると期待したい」と話していました。