「初診からオンライン診療」開始のクリニックでは 新型コロナ

「初診からオンライン診療」開始のクリニックでは 新型コロナ
医療機関で新型コロナウイルスの感染が広がるのを防ぐため、インターネットを使って診察する「オンライン診療」が今週から初診の人も受けられるようになり、都内のクリニックでは希望する患者が急増しています。
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、全国の病院では患者や医療関係者の集団感染が起きていて、院内感染を防ぐための対策が喫緊の課題になっています。

こうした中、厚生労働省はインターネットを使って自宅など離れた場所にいる患者を診察する「オンライン診療」を今週から初診の人も利用できるようにしました。

4年前から通院が難しい患者を中心に「オンライン診療」を取り入れている東京駅近くのクリニックでは、これまで月に数人だった「オンライン診療」を希望する患者が、この1週間でおよそ100人に急増したということです。このクリニックで採用しているシステムでは、パソコンやスマートフォン、それにタブレットを使って、医師と患者がテレビ電話をつないで診察を行います。

15日も午前中だけで11人の診察を行い、このうち高血圧の持病がある56歳の会社員の男性は初診ではありませんが、感染拡大の影響で通院が難しくなったとして、血圧の薬を処方してもらうために初めて利用したということです。タブレットの画面を通しての診察で血圧の測定や触診ができないため、血圧は患者に尋ね、触診の代わりに体調に変化がないかをこれまでの病歴などをもとに確認して薬を処方していました。

利用した男性は「初めてのオンライン診療でしたが、スムーズに診察してもらえた。また利用したい」と話していました。
東京ビジネスクリニックの内藤祥院長は「見た目と会話でしか患者を診ることができないため、初診では正確な診断に時間がかかる場合があるが、オンライン診療は患者と医療従事者の双方を守る効果的な感染対策だ。操作を覚えれば手軽にできるので、高齢者の方もぜひ利用してほしい」と話していました。