消毒液不足に対応 酒造メーカー “原液”提供の動き広がる

消毒液不足に対応 酒造メーカー “原液”提供の動き広がる
新型コロナウイルスの感染拡大で、消毒液が不足していることから、酒造メーカーの間では製造能力を高めるなどして、国を通じて医療機関などに消毒液の原液を提供する動きが広がっています。
このうち、京都の大手酒造メーカー宝酒造は、厚生労働省からの要請を受けて、現在、千葉県松戸市や神戸市の工場で作っているアルコール度数が95度の消毒液の原液の製造を増やすことを決めました。
最大で1か月に9万リットルを国を通じて医療機関や高齢者施設に提供していくということです。
また、大手飲料メーカーのサントリーはアメリカのウイスキー工場で消毒液の原液を製造し、現地の医療機関などに提供していますが、大阪市内の工場でも新たに製造を始め、今月下旬から医療機関などに提供することを決めました。

消毒用のアルコールが不足していることを受けて、厚生労働省は今月10日、酒造メーカーが作るアルコール濃度が高い酒を消毒液の代わりとして使用可能だとする通知を出していて、地方の酒造会社も代替品の生産に乗り出しています。

資生堂も生産へ

消毒液の生産の動きは酒造会社だけでなく、ほかの業界にも広がっています。

化粧品大手の資生堂は今月17日から栃木県大田原市にある化粧品工場で、化粧品の技術を生かして消毒液の生産を開始すると発表しました。
来月以降は大阪や静岡、埼玉の3つの工場でも生産を始め、4つの工場で1か月当たり20万本の消毒液を生産して国内の医療機関などに提供していくということです。

資生堂は「新型コロナウイルスの感染拡大を早期に収束させるため、今後もさまざま々な支援を行っていく」と話しています。