新型コロナで外国人も国内客も激減 松山 道後温泉

新型コロナで外国人も国内客も激減 松山 道後温泉
松山市の観光名所、道後温泉では、新型コロナウイルスの感染拡大で外国人旅行者の姿がほとんど見られなくなり、国内客の落ち込みも加わって、温泉街の宿泊施設などが苦境に立たされています。
松山市では松山空港と上海や台湾の台北、それにソウルを結ぶ国際定期便が、新型コロナウイルスの影響で先月9日以降、すべて欠航となり、外国人にも人気の国の重要文化財「道後温泉本館」を核とする共同浴場の入浴客数は、先月は去年の同じ月よりおよそ3割、落ち込みました。

温泉街のホテルや旅館で作る団体「道後温泉旅館協同組合」によりますと、道後温泉の宿泊客数は外国人旅行者の急激な減少に加え国内でも感染が広がったことを受けて、先月は去年の同じ月の半分以下に減少し、今月の予約はさらに落ち込んでいて、一部のホテルや旅館で臨時休業する動きが出ています。

このうち温泉街で大手の旅館では、先月の売り上げが去年より6割近く減ったことなどを受けて、先月31日から今月28日まで臨時休業し、大型連休中の再開に向けて準備を進めてきました。

ところが、法律に基づく緊急事態宣言が出された今月7日以降、首都圏や関西圏のほか、宣言の対象ではない地域からも連休期間中の宿泊予約のキャンセルがさらに増え、幹部らが連日、対応に追われています。

組合では、苦肉の策として全国の観光関係者を対象に、温泉街のホテルや旅館の宿泊料金を平日、半額にするキャンペーンを打ち出したものの、緊急事態宣言が出されたことで一時、中止を余儀なくされ、打つ手がない状態です。

「道後プリンスホテル」の河内広志社長は「インバウンドは完全にゼロになった。そのうえ、緊急事態宣言のような強いメッセージが出るようになると、もう観光業は止まらざるをえないのかなとも思う」と話しています。