福井県の医療体制ひっ迫 10万人当たり感染者数が全国2番目

福井県の医療体制ひっ迫 10万人当たり感染者数が全国2番目
福井県は人口10万人当たりの感染者数が東京に次いで2番目に多くなっています。
福井県は感染者を受け入れる病床を9つの病院で合わせて100床確保していますが、これまでに92人の感染が確認され、残りの病床が少なくなっています。

今月6日には、全国で最も早く軽症者などを受け入れる施設として「福井市少年自然の家」の利用を始め、無症状や症状が軽い人など8人が利用しているほか、2人が自宅で待機するなど、病院外で療養しています。

県内では医療体制がひっ迫し、中心的な役割を担う感染症指定医療機関の1つ、県立病院では、新型コロナウイルスの患者の対応にあたる看護師の感染も確認されました。

県立病院の橋爪泰夫院長は12日の会見で「泣き言を言ってもしかたないが、現場は大変つらい思いをしています。限られた医療資源の中で一般の疾患も減るわけではなく、従来の診療もしなくてはならない。何でも指定医療機関でやれと言われても限界がある」と切迫した状況を訴えました。

さらに県内では感染が疑われる人が直接、一般の医療機関を受診するケースが後を絶たず、中には地域の診療所が休業に追い込まれるケースも出ています。

県内のある診療所では、先月、外来で診察した患者の新型コロナウイルスへの感染が確認され、その後、自主的に2週間休業しました。

診療所の院長は「患者に一般外来には入れずに別の部屋に誘導しましたが、防護服などはなく、感染予防策は十分ではなかったと思います。100%感染していないという自信はなく、病院からほかの患者にうつすわけにもいかないので、14日間閉めました」と話しています。

そのうえで院長は「この病気について、いちばん恐怖を感じているのは前線で患者と対面する医療関係者で、今後1か月、2か月と同じ状況が続いたら大変なことになります。少なくとも高性能のマスクや防護服、消毒液については行政にしっかり支援してほしい。また、かぜなどの症状がある場合は、まずはかかりつけ医に電話で相談してほしい」と話し、地域医療維持のために、一般の診療所にも防護服を配備するなど行政の支援が必要だとしています。