600人近い乗組員が感染確認の米空母 初の死者 新型コロナ

600人近い乗組員が感染確認の米空母 初の死者 新型コロナ
アメリカ海軍は13日、声明を発表し、600人近い乗組員が新型コロナウイルスに感染したことが確認されている原子力空母「セオドア・ルーズベルト」で、初の死者が出たことを明らかにしました。
声明によりますと、死亡した乗組員は先月30日に感染が確認され、グアムの海軍基地内に隔離されていましたが、今月9日に症状が悪化し、海軍病院の集中治療室に搬送されていたということです。

およそ5000人を乗せた「セオドア・ルーズベルト」ではこれまでに乗組員585人の感染が確認されていますが、死者が出たのは初めてです。

「セオドア・ルーズベルト」をめぐっては、艦長が新型コロナウイルスの感染拡大への緊急措置を求める軍の上層部への書簡を外部に漏えいさせたなどとして解任されたあと、艦長を解任した海軍トップが議会からの批判を受けて辞任するなど、混乱が続いています。

一方、アメリカ海軍は13日、中東への派遣を終えてアメリカの母港に向かっていた原子力空母「ハリー・トルーマン」について、帰還を中止し、洋上での展開を続けることを明らかにしました。その理由について海軍は、空母の船内に新型コロナウイルスが持ち込まれることを防ぐためだとしています。

アメリカではこれまでに4隻の原子力空母の乗組員が感染したと伝えられていて、即応態勢への影響も懸念される中、海軍としては空母でのさらなる感染を食い止めたい考えです。