病床ひっ迫 軽症者など入院させず直接ホテルも 東京都が調整

病床ひっ迫 軽症者など入院させず直接ホテルも 東京都が調整
都内で新型コロナウイルスの感染が急速に広がり医療機関の病床がひっ迫していることから、東京都は、軽症や症状がない人で、自宅での療養が難しく、同意を得られた場合には、入院させずに都が借り上げたホテルに直接、入ってもらう方向で調整していることが関係者への取材でわかりました。
東京都内では、13日までに感染した人が合わせて2158人にのぼっていますが、都によりますと、患者の多くは症状が重くないということです。

都は、感染が確認された人はいったん全員入院してもらうことにしていますが、今月7日から、軽症か症状がない人で医師が認めた場合は病院から都が借り上げたホテルに移ってもらっています。

病床をあけることがねらいで、13日までに合わせて105人がホテルに移りましたが、都によりますと急速な感染の広がりで病床がひっ迫しているということです。

このため、都は軽症か症状がない人で、家族に高齢者がいるなど自宅での療養が難しく、同意を得られた場合には、必ずしも入院させずに都が借り上げたホテルに直接、入ってもらう方向で調整していることが関係者への取材でわかりました。

都は今週、新たに2つのホテルを借り上げる予定で、合わせておよそ1500室を確保するめどをたてていて、直接、ホテルに入ってもらうなどの取り組みをできるだけ早く実施したい考えです。

医療現場では

現在、都内の医療機関で新型コロナウイルスの感染者のために用意された病床の多くは、症状が軽いか症状が出ていない患者で占められています。

医療関係者によりますと、入院先の病院から専用の宿泊施設に移ってもらう際に、「病院にとどまりたい」などと求める患者や家族がいて、宿泊施設への移送が思うように進まないケースもあるということです。

一方、医療機関では、軽症や無症状のため医療的なケアを必要としない患者が病床の大部分を占めることで、重症化したり、そのおそれがある患者が入院できないケースが出ると懸念する声があがっていました。

国の考え方は

厚生労働省は、東京都など感染者が急増している地域では、軽症や無症状の人について、入院が必要ないと医師が判断した場合、自宅か都道府県が用意するホテルなどの宿泊施設で療養することができるとする考え方をまとめています。

重症者のための病症を確保することがねらいで、こうした考え方をすでに今月2日までに都道府県などに伝えています。

一方、高齢者や糖尿病などの基礎疾患がある人、妊娠している人などは対象外で、入院してもらうとしています。