人工心肺装置使った高度治療の患者 2週間でほぼ倍増

人工心肺装置使った高度治療の患者 2週間でほぼ倍増
新型コロナウイルスによる肺炎が悪化し、重篤な症状になった患者のうち、人工心肺装置を使った高度な治療を受けた患者が、この2週間でほぼ倍増し、少なくとも75人に上ることがわかりました。首都圏を中心に重症患者の増え方は加速していて専門家は、医療スタッフを含めて治療体制の強化を急ぐべきだとしています。
新型コロナウイルスに感染して症状が悪化し、肺の機能が低下すると、「ECMO」と呼ばれる人工心肺装置を使って、血液中に直接、酸素を送り込む治療が必要になります。

日本集中治療医学会や日本救急医学会などが全国の医療機関を対象に調べたところ、12日の時点で少なくとも75人がこの治療を受けていたことがわかりました。

この治療を受けたのは、先月30日までの1か月半ほどでは40人でしたが、この2週間足らずの間におよそ1.9倍になりました。およそ85%は男性だということです。

また75人のうち、25人はECMOの治療を終えて回復に向かっていますが、11人は亡くなったということです。

医療機器メーカーはECMOの増産を進めていますが、学会で治療についてまとめている竹田晋浩医師は「首都圏を中心に重症患者の増え方が加速している。さらに増えるとECMOを扱う医療スタッフやベッドが足りなくなり、本来助かる人を助けられなくなるおそれもある。治療体制の強化を急ぐべきだ」と話しています。