大雨で避難所 感染防止で全員体温計測の異例の対応 千葉 鴨川

大雨で避難所 感染防止で全員体温計測の異例の対応 千葉 鴨川
13日午前、大雨で土砂災害の危険性が高まっているとして市内の一部に避難勧告を出した千葉県鴨川市の避難所では、新型コロナウイルスへの感染拡大を防ぐため避難者の体温を計測する態勢を整えるなど、異例の対応が取られました。
千葉県鴨川市は13日午前11時すぎ、大雨で土砂災害の危険性が高まっているとして江見、曽呂、大山地区の土砂災害警戒区域に住む34世帯80人を対象に避難勧告を出しました。これにともなって鴨川市が市内3か所に開設した避難所では、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための異例の対応が取られました。

避難所では受付で全員の体温を計測し、37度5分以上の熱がある場合は、保健師と相談したうえ受け入れが可能か判断したり、大勢が1部屋に集まらないよう避難する部屋を分けたりできるよう、態勢をとったということです。

また、避難所への消毒液を設置し、避難者に配布するマスクも準備したということです。避難勧告は午後4時半前に解除され、避難した人はいませんでしたが、鴨川市は「新型コロナウイルスの感染を防ぐことと、避難所運営の両立には難しい点もあると感じる。安全が確保できるのであれば避難所ではなく自宅内での安全な場所への避難も検討してほしい。避難する場合は手洗いやせきエチケットを徹底したうえ避難してほしい」と話しています。

担当者「感染諸対策も踏まえた避難所運営考える必要」

大雨に伴って一時、避難勧告が発表された千葉県鴨川市の避難所では、新型コロナウイルスへの対応も迫られました。

このうち大山公民館では、玄関に消毒用のアルコールやマスクを設置し、感染拡大防止の徹底を図ることにしました。

受付では訪れる人全員に体温を測定してもらうとともに保健師が待機し、詳しい問診を行って基礎疾患がないかを確認する準備も行いました。そのうえで体調に異常がない人については大きめの広間に通しますが、避難所の担当者が座る場所を指定して接近しすぎないようにするほか、可能な場合は窓を開けて、換気を徹底するということです。

一方、熱やせきなどの症状がある人が訪れた場合は広間とは別の部屋に入ってもらい、保健師と相談しながら病院に搬送できるかなど、対応を検討するということです。

鴨川市危機管理課の滝口俊孝さん(50)は、「急な大雨だったので、今回はできるかぎりの準備をせざるをえませんでした。今後、台風がくる場合に備えて感染症対策も踏まえた避難所運営を考えていかなければならない」と話していました。