OPECなど産油国 原油“過去最大”の協調減産で最終合意

OPECなど産油国 原油“過去最大”の協調減産で最終合意
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急落した原油価格の引き上げを目指すサウジアラビアやロシアなどの産油国は、来月から協調して減産に踏み切ることで最終的に合意しました。この枠組みに参加していない世界最大の産油国アメリカも生産が減る見通しを示していますが、新型コロナウイルスの影響による原油の需要の落ち込みは産油国全体の減産規模を上回る可能性も指摘されていて、原油価格の安定につながるかどうかは不透明です。
サウジアラビアが主導するOPEC=石油輸出国機構とロシアなど非加盟の産油国は12日、来月から2か月にわたり世界の原油生産量のおよそ1割に当たる日量970万バレルの減産に踏み切り、その後も協調して生産を減らすことで最終的に合意しました。

サウジアラビアはこれに先立つ10日のG20=主要20か国の会合で、この枠組みに参加していない世界最大の産油国アメリカなどに対しても減産に協力するよう求め、この際アメリカは、ことしの原油生産は日量200万バレル程度は減るという見通しを明らかにしています。

ただ、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない中、世界各地で経済活動の停滞が続いており、原油の需要の落ち込みはアメリカなどを含めた産油国全体の減産規模を上回る可能性も指摘されています。

原油市場では、12日のOPECとロシアなどの最終的な合意のあとも先行きに対する楽観的な見方は広がっておらず、今後、原油価格の安定につながるかどうかは不透明な状況です。

トランプ大統領「大きな取り引きだ」

主な産油国が協調減産で最終合意したことを受けて、アメリカのトランプ大統領はツイッターに「アメリカの多くのエネルギー関連の雇用が守られる。すべての人々にとって大きな取り引きだ!」と書き込み、高く評価しました。

アメリカでは原油価格の下落によって、シェールオイルなどのエネルギー産業に深刻な影響が出ており、トランプ大統領は原油価格の引き上げに向けて、ロシアのプーチン大統領やサウジアラビアのサルマン国王と電話会談を行い、協調減産で合意するよう求めてきました。

石油連盟会長「市場安定化に向けた継続的な協議を」

サウジアラビアやロシアなどの産油国が、来月から協調して減産に踏み切ることで最終的に合意したことについて、石油元売り各社でつくる「石油連盟」の月岡隆会長は「世界の石油市場安定化に向けた取り組みとして一定の評価ができる。ただし、減産幅については残念ながら市場の期待値まで届かず、原油価格が依然として低迷している。今後も、市場の安定化に向けた継続的な協議を期待したい」とコメントを出しました。