「大勢が集まる行事やめて」宗教団体リーダーに呼びかけ 国連

「大勢が集まる行事やめて」宗教団体リーダーに呼びかけ 国連
国連のグテーレス事務総長は、キリスト教の復活祭、「イースター」に合わせて、世界の宗教団体のリーダーに対して、たくさんの人が集まる行事は開催せず、新型コロナウイルスの感染拡大の防止につとめるよう協力を呼びかけました。
新型コロナウイルスへの感染拡大が続く中、世界各地で厳しい外出制限の措置がとられていますが、信仰心の強さから宗教行事などに参加する人があとを絶ちません。

こうした中、国連のグテーレス事務総長は12日のイースターに合わせて世界の宗教団体のリーダーに向けた呼びかけをホームページ上に公開しました。

この中でグテーレス事務総長は、ユダヤ教の重要な宗教行事や、今月始まるイスラム教の断食月、「ラマダン」にも言及したうえで、「こうした行事の際には、家族が一緒に過ごしたり、抱き合ったり、集いを開いたりするものだ。しかし、今は他に類をみない時だ」と述べました。

そのうえで、「最前線で闘う医療従事者に思いをはせ、ぜい弱な環境にある人々のことを思い出して過ごしてほしい。協力すれば、われわれはウイルスに打ち勝つことができる」と述べ、たくさんの人が集まる行事は開催せず、新型コロナウイルスの感染拡大の防止につとめるよう協力を呼びかけました。

キリスト教復活祭の礼拝もネット配信で

12日は、キリスト教の復活祭、「イースター」ですが、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、大勢の人が集まることが制限されるなか、各地の宗教施設では映像の配信によって礼拝を行うなど、異例の対応を迫られています。

このうち、オーストラリアのシドニーでは、人けのない教会の片隅で、牧師がカメラの前でイースターの礼拝を行い、その様子をインターネットで配信しました。

牧師は、「人生で最も大切なものは愛です」などと映像を見ている人たちに語りかけていました。また、フィリピンのマニラでは、カトリック教会から配信された礼拝の映像をスマートフォンに映し出して自宅で祈りをささげる家族の姿がみられました。

女性の1人は、「イースターはわれわれにとってとても重要な日です。新型コロナウイルスが流行するなか、神様だけが心のよりどころです」と話していました。