「緊急事態宣言」から最初の日曜日 各地の繁華街は閑散

「緊急事態宣言」から最初の日曜日 各地の繁華街は閑散
政府の「緊急事態宣言」が出されてから最初の日曜日を迎えた東京都心の繁華街は行き交う人も少なく、閑散としています。
このうち東京 中央区の銀座では、デパートやブランド店がシャッターを閉め、当面の営業休止を知らせる貼り紙が貼られていました。

ふだんは買い物客や家族連れでにぎわいますが、12日は行き交う人はまばらで閑散としていました。

そうした中、まちで目立っていたのはジョギングをする人たちでした。近くに住む64歳の男性は、「皇居の近くで走るついでにまちの様子を見にきました。銀座は見慣れていますが、こんな光景はこれまで見たことがなく、寂しいです。早く終息して元に戻ってほしいです」と話していました。

62歳の男性は、「回復の兆しが見えず、経済的なダメージがとても大きいと思います。政府が打ち出している対策では不十分で、休業補償や失業対策をさらに拡充させる必要があると感じます」と話していました。

また、ふだんは国内外の観光客が多く訪れる中央区の築地場外市場でもほとんどの商店や飲食店が休業し、営業している飲食店も客はほとんどおらず、ひっそりとした日曜日の昼どきを迎えていました。

都内の公園 距離をあけながら運動する人も

都内の公園には人との距離をあけるなど新型コロナウイルスの感染対策を意識しながら、ジョギングなどで体を動かす人たちの姿が見られました。

東京 杉並区の善福寺川緑地では、午前中からジョギングやウォーキングをしたり、広場では親子連れがサッカーをしたりする姿が見られました。

屋外で行う散歩やジョギングなどは感染のリスクが低いとされていますが、マスクを着けて人との距離をあけながら体を動かす人も多く、新型コロナウイルスの感染対策を意識しながら運動不足やストレスの解消に取り組んでいる様子でした。

ふだんからジョギングをしているという40代の会社員の男性は「この2日間はいつもより人出も多く、家族連れが増えた印象です。平日の半分は在宅勤務になり運動不足で体が痛いので、人との距離に気をつけながら走っています」と話していました。

1歳の娘を連れた40代の父親は「子どもも思い切り外で体を動かせずかわいそうでしたので散歩の時間を短くしたうえで、ほかの人との距離が近くならないように気をつけて運動しています」と話していました。

また、犬の散歩をしていた50代の女性は「犬の散歩をしている人と出会ったときには犬や飼い主どうしが近くなりがちなので、マスクをしたうえで飼い主が近くなりすぎないようにしています」と話していました。

大阪 ミナミ 道頓堀 ほとんどの店がシャッター下ろす

「緊急事態宣言」が出され、不要不急の外出自粛が呼びかけられる中、大阪の繁華街は多くの店が休業となっていて閑散としています。

このうち、午前9時半ごろのJR大阪駅では、構内にいる人がふだんの日曜日よりも大幅に少なくなっていました。

人通りが特に多い駅前の横断歩道でも信号待ちをする人がごくわずかしか見られず、閑散としていました。

また、買い物客など多くの人でにぎわう大阪 ミナミの道頓堀でも、12日は、ほとんどの店がシャッターを下ろしていて、「新型コロナウイルスの感染拡大防止のために休業します」との貼り紙があちらこちらで見られました。

午前10時ごろの街は閑散としていて、人通りはほとんどありませんでした。

神戸 婚礼ドレスのレンタル店 時短営業するも…

神戸市の商店街では、多くの店が休業して行き交う人も少なく、閑散としています。

このうち神戸市中央区の神戸元町商店街は、アーケードがあり、雨の日でも傘をささずに買い物ができますが、多くの店がシャッターを下ろしていて、訪れる人も少なく閑散としています。

散歩で通りかかった60代の女性は、「お店が閉まっているのは寂しいです。新型コロナウイルスの影響で、電車に乗るのを控えていて、大阪に住む娘に会いにいけないのがつらいです」と話していました。

また、幼い娘と散歩していた40代の会社員の男性は、「ずっと家の中にいることもできないし、外食も控えていて、きょうは屋根のあるここで散歩をしています」と話していました。

一方、商店街にある結婚式用のドレスなどのレンタル専門店は、営業時間を短縮して営業していますが、来月までの予約はほぼキャンセルになったということです。

ことしの秋以降に結婚式の予定がある客の需要もあるため、店の営業は続けるということですが、大阪や京都の系列店も合わせると2億円余りの損失が出ているということです。

この会社の井上芳昌社長は「いつまでこの状況が続くのか不安で、いまは当面の資金繰りのために銀行に頭を下げています」と話していました。

福岡 博多駅周辺 まばら

福岡市のJR博多駅周辺ではデパートや商業施設のほとんどが臨時休業していて、行き交う人の姿はまばらでした。

福岡市のJR博多駅の周辺は、多くのデパートや商業施設が建ち並び、ふだんの週末は買い物や食事に訪れる人、それに旅行客などでにぎわいます。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言を受けてデパートや商業施設のほとんどが臨時休業していて、宣言後、初めての日曜日を迎えた12日の午前中は、駅前の広場でも人の姿はまばらで、行き交う人たちはマスクをつけて足早に目的地に向かっていました。

また、駅周辺の大通りもふだんと比べて車の往来が少なく、閑散としていました。近くのホテルで働いているという60代の女性は「日曜日には見たことがないほどがらんとしていて驚きました」と話していました。

また、福岡県福津市から来たという19歳の女性は「福岡市内の病院で診察があるため外出しましたが、ふだんは自宅と職場の往復がほとんどです。早く自由に外出できるよう、感染が収まってほしいです」と話していました。

県独自の「宣言」 名古屋でも

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、愛知県が県独自の「緊急事態宣言」を出してから、最初の日曜日となった12日、名古屋駅前はふだんに比べ人通りが少なくなっています。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、愛知県は、10日、県として独自に「緊急事態宣言」を出し、生活の維持に必要な場合を除き、不要不急の外出や移動を自粛することなどを県民に強く要請しました。

宣言が出て最初の日曜日となった12日、ふだんは駅の利用者や買い物客など多くの人でにぎわう名古屋駅前も人通りが少なくなっていました。

また、ふだんは多くの人が利用するタクシー乗り場も利用する人がほとんど見られませんでした。

親戚の法要のために東京から来たという40代の男性は、「新幹線で来ましたが、人がほとんど乗っていませんでした。みんながしっかり意識を持って行動している結果だと思います。用事を済ませたらすぐに帰ろうと思います」と話していました。

歯科医院に行く途中だという20代の男性は、「不安な気持ちが大きいですが、どうしても治療に行かなくてはいけないので外出しました。地下鉄で来ましたが、終電かと思うくらいに人が乗っていませんでした」と話していました。