“人と人の間に一定の距離” 米のスーパー工夫凝らす

“人と人の間に一定の距離” 米のスーパー工夫凝らす
アメリカでは社会全体で人と人の間に一定の距離を保つ「ソーシャル・ディスタンシング」と呼ばれる対策が感染の防止に有効だとして、スーパーマーケットなどがそれぞれ工夫を凝らして取り組みを進めています。
西部カリフォルニア州では、州政府が先月16日に感染拡大を防ぐための手引きを公表し、この中で人と人の間に一定の距離を保つ「ソーシャル・ディスタンシング」と呼ばれる対策を具体的に示しました。

それによりますと、「人々が異なる場所から集まって接触すると、感染が広がる可能性が高くなる」として、屋内、屋外を問わず集会は開かないこと、店舗などでは家族以外の人はおよそ2メートルの距離に近づかないようにすること、レストランは持ち帰りの営業だけを認め、バーは原則として閉めることなどを求めています。

これを受けてロサンゼルスでは人が集まる公園などは閉鎖され、飲食店も長期間、閉店するところが出ています。

スーパーマーケットは営業を続けていますが、店内に人が集まることを避け、買い物客が互いに十分に距離を取ることができるよう、1度に入ることができる人数を制限しています。

さらに屋外で入店を待つ際には、ほかの買い物客との間でおよそ2メートルの距離を保って列を作るよう求めています。

また店内では、従業員全員がマスクと手袋を着用したうえで、レジの従業員と買い物客の間に高さおよそ60センチメートルの透明の板を設けているところもあります。

フードコートでも店内での食事を認めず、いすは全部上げられていて、持ち帰りだけの営業となっています。

訪れた人は「人と人の間の距離を保つことは今は大事なので、この店の取り組みはよいと感じています」とか、「ロサンゼルスはニューヨークや東京よりは車社会なので状況はよいかもしれませんが、今は特別に注意を払うべき時期だと考えています」と話していました。

日系スーパーの店長を務める鍬田由美さんは「お客様の理解は得られていると思います。一方、従業員にとっては感染リスクの高い場所での仕事ということになるので、65歳以上の従業員は全員自宅に待機してもらっています」と話していました。