介護施設 ビデオ通話で家族と互いの顔を見ながら会話 埼玉

介護施設 ビデオ通話で家族と互いの顔を見ながら会話 埼玉
新型コロナウイルスの影響で、特別養護老人ホームなどの入所型の介護施設では利用者への感染を防ぐため家族などの面会を中止する動きが広がっています。事態の悪化が続き7都府県で緊急事態宣言が出される中、介護の現場では、こうした措置の長期化に備えた取り組みが始まっています。
このうち埼玉県越谷市の特別養護老人ホーム「輝の杜こしがや」では、以前から入居者の生活の様子が分かる写真などを家族に送っていましたが、先月末から新たに無料通信アプリのビデオ通話を利用して、入居者と家族が互いの顔を見ながら会話できる時間を設けるようになりました。

感染拡大の影響で、ことし2月上旬から2か月近く家族と会えない状態が続いている99歳の入居者の女性は8日、職員が付き添う中、施設が用意したタブレット端末を使って長男夫婦とビデオ通話をしました。

女性は、長男夫婦に「顔がよく見えるよ。みんな元気か」などと声をかけ、長男夫婦が「元気だよ。しばらくだね」などと返事をすると、笑顔を見せていました。

特別養護老人ホーム「輝の杜こしがや」の吉尾純施設長は「ご家族が心配しているうえ、日々の生活の中で受けていた刺激が失われることで、入居者の認知機能が衰えるおそれもあるのでビデオ通話を導入しました。実際にやってみると、家族の顔を見た瞬間に笑顔がこぼれることもありました。今後も、しばらくは制限された生活が続く見通しなので、どうしたら元の生活に近い日常を送れるか、ほかの施設の取り組みも参考にしなから考えていきたいです」と話していました。