愛知県 県独自の「緊急事態宣言」外出・移動の自粛求める

愛知県 県独自の「緊急事態宣言」外出・移動の自粛求める
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新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく愛知県の対策本部の会議が開かれ、大村知事は、県内で感染者数が増え、感染経路が分からない患者の割合も高まっているなどとして、県として独自に「緊急事態宣言」を出しました。宣言の期間は来月6日までで、県民に対し、不要不急の外出や移動の自粛を求めています。
愛知県は10日午後1時ごろから、県庁で新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく県の対策本部の会議を開きました。

この中で大村知事は県内で感染者数が急速に増え、感染経路がわからない感染者も多く確認されているとしたうえで、「県民のいのちと健康を守ることを第1に、ありとあらゆる対策を講じる。この難局をオール愛知で乗り越えるため、県民などすべての皆様と一致結束して取り組みたい」と述べました。

そして、「生活の維持に必要な場合を除き不要不急の外出、移動の自粛を強くお願いしたい。やむをえず外出する場合でも、『密閉』『密集』『密接』を避ける行動を徹底的にとってもらいたい」と述べました。

さらに「県民には大変な不便をかけると思うが、来月6日まで行動を自粛していただいて、新型コロナウイルス感染症を克服したい」と述べ、大村知事は愛知県として独自に「緊急事態宣言」を出しました。

宣言の期間は来月6日までとなります。

盛り込まれた具体策

愛知県独自の「緊急事態宣言」では、県民や事業者に対して、
▽生活の維持に必要な場合を除き不要不急の外出・移動を自粛することや、
▽やむをえず外出する場合でも「密閉」「密集」「密接」を避ける行動を徹底することを強く要請しています。

また、▽県民の日常生活の維持に必要な事業活動については、感染防止対策に留意したうえで、継続を要請するとしています。

さらに、緊急事態措置を円滑に行うための県の取り組みとして、
▽医療提供体制の強化、検査体制の充実、相談体制の整備や情報提供など、県民の生命と健康を守る取り組みを進めることや、
▽国や県の緊急経済対策に基づいて県民や事業者などをきめ細かく支援すること、
▽製造業を支える中小企業など幅広い産業に関わる人たちに資金繰りの支援などを行うことを挙げています。

各デパートの営業は

▽「松坂屋名古屋店」と「松坂屋豊田店」は、愛知県の緊急事態宣言を受け、11日から当面、臨時休業することを決めました。
ただ、食料品売り場については、いずれも午前10時から午後6時まで営業するとしています。

▽「ジェイアール東海高島屋」は、12日から当面、臨時休業すると決めました。

ただ、デパートの「ジェイアール名古屋タカシマヤ」の食料品売り場については、午前10時から午後6時まで営業するとしています。

▽「名古屋三越」は感染拡大を受けて、すでに営業時間の短縮などを行っていますが、11日は営業時間の短縮を続け、12日以降については休業を含めて対応を検討するとしています。

▽「名鉄百貨店」は、11日はすでに行っている営業時間の短縮を続け、12日から、当面、臨時休業することを決めました。
ただ、食料品売り場は、「本店」、「一宮店」いずれも午前10時から午後7時まで営業し、レストランフロアについては、「本店」は休業しますが、「一宮店」は、午前11時から午後3時まで営業するとしています。

県内の主な商業施設は

愛知県内にある主な商業施設では、日進市の「プライムツリー赤池」が、食品スーパーを除いて、営業時間を11日から午後8時までに短縮することを決めました。

このほか、名古屋市港区の「ららぽーと名古屋みなとアクルス」、名古屋市中村区の「ミッドランドスクエア」と「大名古屋ビルヂング」もすでに営業時間を短縮したり、一部店舗を休業したりする対応を取っていますが、各施設とも、今後の状況によっては、さらに営業時間を変更する可能性があるとしています。

スーパー・コンビニ 各店の営業は

▽総合スーパーのアピタやピアゴを展開する「ユニー」は、10日と11日は県内すべての店舗で通常どおり営業しますが、12日から営業時間を1時間から2時間程度、短縮するということです。また、「ドン・キホーテ」との共同店舗についても、12日から多くの店舗で閉店時刻を1時間早めるということです。

▽総合スーパーの「イオン」や食品スーパーの「マックスバリュ」は、原則、県内すべての店舗で通常どおり営業します。

▽「イオンモール」は、食料品などを扱うスーパーは通常どおり営業しますが、専門店のエリアは11日から当面、営業時間を短縮し、午前10時から午後8時までの営業となります。

▽スーパーやドラッグストア、それにホームセンターを展開する「バロー」は、県の緊急事態宣言が出たあとも原則、すべての店舗で通常どおりの営業を続けます。ただ、感染拡大の状況に応じては、営業時間の短縮なども検討するということです。

▽「アオキスーパー」は、商業施設に入っている一部の店舗を除いて、すべての店舗で通常どおり営業します。

▽ドラッグストアの「スギ薬局」は、原則、すべての店舗で通常どおり営業します。

また大手コンビニは、
セブン‐イレブン、ファミリーマート、ローソンの各社とも、原則として通常どおり営業します。

ただ、それぞれの店舗の状況に応じ、オーナーと相談して休業したり営業時間を短縮したりする場合があるということです。

大手ファミリーレストランは

ファミリーレストランの「ガスト」や「ジョナサン」など、愛知県内で140余りの店舗を展開する「すかいらーくホールディングス」は、法律に基づいた宣言の対象である東京や大阪など7都府県と同様、愛知県内の店舗でも深夜の営業を取りやめ、原則、午後10時に閉店することを検討しています。

「サイゼリヤ」は、県内70余りの店舗について、すでに営業時間を午後9時45分までに短縮していますが、休業や短縮などさらなる対応が必要か、検討中だとしています。

県内17か所で「ロイヤルホスト」や「天丼てんや」などを運営する「ロイヤルホールディングス」も、ロイヤルホストについて、11日から営業時間を短縮し、午後8時で閉店することを決めました。

ファストフード・コーヒーチェーン・外食各社は

愛知県内におよそ200店舗を展開する「マクドナルド」は、店舗の状況に応じて休業や営業時間の短縮、それに店内飲食の取りやめなどを検討するということです。

また「ケンタッキーフライドチキン」は、県内に50余りある店舗すべてで、原則、午後8時までに営業時間を短縮するとしています。
入居する商業施設の状況によっては、休業する店舗もあるということです。

愛知県内に110店舗余りを展開する大手コーヒーチェーンの「スターバックスコーヒー」は、すでに県内の多くの店舗で午後7時までの短縮営業となっていますが、緊急事態宣言がすでに出されている東京など7都府県と同様、原則、休業することも含め、検討を進めているということです。

同じくコーヒーチェーンの「ドトールコーヒー」も、愛知県内の直営店舗を原則として休業する方向で検討しています。フランチャイズ店については店舗ごとに営業時間を短縮するなどの対応を協議するということです。

また、愛知県内に本社を置く外食各社では、
▽「サガミホールディングス」が県内などにある135の店舗について、11日から営業時間を午後9時までに短縮します。

▽「木曽路グループ」は、しゃぶしゃぶ料理の「木曽路」について県内のすべての店舗の営業時間を夜9時までにするほか、居酒屋の「素材屋」はランチ営業のみとし、夜の営業は当面、取りやめることにしています。また、グループのほかの飲食店についても営業時間の短縮を検討しているということです。

このほか「壱番屋」や「コメダホールディングス」、それに、スガキヤを展開する「スガキコシステムズ」は、緊急事態宣言の内容を精査したうえで今後の対応を判断するとしています。

鉄道は平常どおり運行

鉄道各社は、愛知県独自の緊急事態宣言が出たあとも原則として平常どおり運行する予定です。

JR東海は、東海道新幹線と在来線について、運休などは行わず、これまでの計画どおり運行するとしています。

また近鉄、名鉄、名古屋市営地下鉄も平常どおり運行する予定だとしています。

ただ県から特別な要請を受けた場合や、利用状況などによって、運行計画が変わる可能性もあるとしています。

バス各社 高速バスに影響も

「名鉄バス」は路線バスに変更はないとしていますが、高速バスについては、現在、全体の2割ほどを運休していて、県の緊急事態宣言を受けて、今後、さらに減便する可能性があるとしています。

「ジェイアール東海バス」も、この1か月間で高速バスの半分ほどを運休にしていて、今後、さらに運休が増える可能性があるとしています。

「名古屋市営バス」は今のところ従来どおりのダイヤで運行する予定だとしています。

タクシー 台数減らして運行も

▽「つばめタクシーグループ」では、今月16日から通常の半分ほどの台数で運行することにしています。

▽名鉄グループのタクシー各社のうち、名古屋市内で運行する会社は、今後、台数を減らして運行する方針です。

また、知多半島を中心に運行する会社については、これまでどおりの運行を続けるとしていますが、それ以外の地域の各社は、今後、利用状況に合わせて台数を減らして運行することを検討するとしています。

▽「名古屋近鉄タクシー」では、利用状況などを踏まえて今後、対応を検討することにしています。

金融機関は平常どおり営業

愛知県内に店舗を置く主な金融機関は県独自の「緊急事態宣言」が出されたあとも、原則、県内すべての店舗で平常通りの営業を続けるとしています。

平常通りに営業するとしているのは、
▼三菱UFJ銀行、
▼三井住友銀行、
▼みずほ銀行のメガバンク各行のほか、
名古屋市に本店を置く、
▼名古屋銀行、
▼愛知銀行、
▼中京銀行、
それに岐阜県と三重県にそれぞれ本店を置く
▼十六銀行、
▼大垣共立銀行、
▼百五銀行、
▼三重銀行、
▼第三銀行、
そして、愛知県内に本店を置く
▼岡崎信用金庫
▼瀬戸信用金庫です。

これらの金融機関では、決済業務などの金融インフラとしての機能を維持し、企業からの資金繰りに関する相談にも対応する必要があるとして、感染拡大の防止策を取りながら、原則、愛知県内にあるすべての店舗で、平常通り営業するとしています。

またATMについては、各金融機関とも休業する商業施設に設置してあるものを除き、原則、平常通りの稼働を続けることにしています。