東京都が独自に行う「協力の要請」は「要請」と何が違う?

東京都が独自に行う「協力の要請」は「要請」と何が違う?
今回、東京都が独自に行う「協力の要請」は、新型コロナウイルス対策の特別措置法の24条に基づいた措置です。「緊急事態宣言」に伴う「要請」とは異なります。

知事の権限で行う「協力の要請」

特別措置法の24条では、都道府県知事の権限として「団体や個人に対し、対策の実施に必要な協力の要請をすることができる」と定められていて、今回の東京都の措置はこれにあたります。緊急事態宣言が出されていなくても、知事の権限で行うことができる「協力の要請」です。

緊急事態宣言に伴う「要請」

一方、特別措置法の45条では緊急事態宣言に伴う「要請」について定められています。

外出の自粛のほか、施設の使用制限やイベントの開催の停止などを「要請」することができるとしていて、対象は多くの人が集まる施設となっています。さらに実際に「要請」を行う際には、個別の施設の管理者を特定して行うとされています。

この「要請」も協力を求めるという点では同じですが、施設の管理者などが応じない場合には、より強い措置である「指示」ができるとしています。「指示」には罰則はありませんが、事業者名などが公表されるので、事実上の強制力があると考えられています。

今月7日の緊急事態宣言に伴って、政府が策定した「基本的対処方針」では、施設の使用制限について「国民の権利の制限は必要最低限にしなければならない」として、まずは外出の自粛を要請し、専門家の意見を聴きながら、その効果を見極めたうえで行うとしています。

政府は人と人との接触機会を7割から8割削減できれば、宣言から2週間後には感染者の増加を減少に転じることができるとしているため、まずは接触機会の削減状況を見極めたいとして慎重な対応を求めていました。

「協力金」は?

また東京都は、休業の協力要請に応じた事業者に対し「協力金」の支出を検討していますが、政府としてはこうした制度を設けないことにしています。