軽症者退院も「すぐに重症患者」国立国際医療研究センター

軽症者退院も「すぐに重症患者」国立国際医療研究センター
k10012378551_202004100724_202004100725.mp4
新型コロナウイルスに感染して重症になった患者を医療機関で確実に治療できるようにしようと、東京都などでは軽症の人に宿泊施設で療養してもらう対応を今週から始めています。しかし、重症者の治療に当たっている医師は、「ベッドが空いたとたんにすぐに患者が来る」と述べ、新たな対応を進めても患者の増加に追いついていない現状を明らかにしました。
国の感染症指定医療機関で、治療の中核を担っている国立国際医療研究センターでは、新型コロナウイルスに感染した患者向けにベッドを40床確保していますが、軽症や症状がない人も入院し、満床の状態が続いていました。

センターでは中等症から重症の患者を受け入れる役割を担っていて、8日までの2日間で軽症の患者6人が宿泊施設に移ったということですが、治療に当たってきた忽那賢志医師は、「ベッドが空いたとたん、すぐに患者が来る。受け入れるベッドが慢性的に不足している」と述べ、新たな対応を進めても患者の増加に追いついていない現状を明らかにしました。

センターに入院した患者の中には、酸素吸入が必要な状態にもかかわらず、満床などといった理由で20以上の病院に受け入れを断られた人もいたということで、「このまま都内で患者が増えれば、十分な医療が提供できなくなるおそれがある」と話しています。

医療現場ではマスクや防護具の不足が深刻で、さらに今後は医師や看護師が足りなくなるおそれがあるとして、忽那医師は、「感染が少ない地域の医療スタッフを応援に出す仕組みを国や行政が主導して作るべきだ」と訴えました。