世界の経済成長率 世界恐慌以降で最悪水準の見通し IMF

世界の経済成長率 世界恐慌以降で最悪水準の見通し IMF
IMF=国際通貨基金は、新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、ことし、2020年の世界全体の経済成長率が、1929年に始まった世界恐慌以降で、最悪の水準に落ち込むという厳しい見通しを示しました。
これは、IMFのトップ、ゲオルギエワ専務理事が、9日の演説で明らかにしたものです。

この中で、ゲオルギエワ専務理事は、ことしの世界全体の経済成長率について「マイナスに転じるのは明らかで、世界恐慌以降で最悪になると見込んでいる。ほんの3か月前、ことしは160以上の国で、1人当たりの所得がプラスになると予想していたが、今、数字は逆転し、170以上の国で所得がマイナスになる。この危機には際限がない」と述べ、1929年に始まった世界恐慌以降で、最悪の水準に落ち込むという厳しい見通しを示しました。

そのうえで「ことし後半にパンデミックが終息すれば、来年、2021年には、部分的な回復を見込むが、この予測も非常に不確実だ」と述べました。

また、金融市場が動揺するなか、新興国市場からの資本流出の規模が、この2か月で1000億ドル、日本円で11兆円に上り、2008年の金融危機と比べて、3倍以上になっているとして、とりわけ新興国の経済の行方を注視していく考えを示しました。