緊急事態宣言 外出自粛 学生寮の大学生たちは

緊急事態宣言 外出自粛 学生寮の大学生たちは
新型コロナウイルスの影響で多くの大学の授業が休止となる中、東京都内にある学生寮では、大学生たちが外出をひかえながらさまざまな思いで時間を過ごしています。
東京 小金井市にある学生寮「松濤学舎」は、佐賀県の出身者を中心に男子大学生29人が暮らしています。緊急事態宣言が出される前に3人が帰省したということですが、今も多くの学生が寮に残っています。

このうち、この春、大学生になったばかりの原柊太朗さん(18)は「入学式も新入生ガイダンスもなくなりました。授業に出てバイトしてサークルしてという忙しい日常を思い描いていましたが、全く逆の状況で、大学生になったという感じがしないです」と残念そうに話していました。

原さんは毎日スマートフォンを眺めたり、寮の先輩たちと話をしたりして過ごしているということで、「地元に帰省したいとも思ったのですが、母親から『いろんな人に迷惑をかけるので東京にいてくれ』と言われて残っています。早くこの状況が終息してほしいです」と話していました。

一方、大学2年生の石丸達也さん(20)は外出できない時間を有効に活用しようと、最近、自分の部屋で電子ピアノの練習を始めました。

石丸さんは「今までも楽器をやりたかったけど出かけることを優先させていました。週3回ほど入っていたアルバイトもなくなってしまい、外出の自粛が求められているので、このタイミングを新しい挑戦をするいい機会にしようと思います」と前向きに話していました。

また大学3年生の小野赳さん(20)は、ほぼ毎朝8時半からパソコンに向かい、インターネット上で大学の授業を受けているということで、「ふだん教室で受けるものと変わらないと思いますし、これまでも朝から授業に出ていたので生活リズムも変わっていないと思います」と冷静に話していました。

この学生寮では感染拡大を防ぐために、毎朝、館内放送で不要不急の外出の自粛と手洗いの徹底などを呼びかけています。

舎監の岩橋誠さんは、「学生たちは、少し目を離すと危機感が足りないと思うこともあるので、がんがん指導しています。一方で、大学に行けずにかわいそうなところもあるので、こういう状況であっても自分を高めてもらえるよう声をかけていきたいと思います」と話していました。