千葉県内の保育園 臨時休園や登園自粛が拡大 緊急事態宣言で

千葉県内の保育園 臨時休園や登園自粛が拡大 緊急事態宣言で
新型コロナウイルスの感染拡大で「緊急事態宣言」が出されたことを受けて、千葉県内の自治体では、保育園などを原則として臨時休園にしたり、保護者に登園自粛を求めたりする動きが広がっています。
このうち、千葉市や船橋市、それに松戸市や市原市などでは、7日から8日にかけて保護者に対し可能なかぎり子どもを保育園などに登園させないよう求める「登園自粛要請」を行いました。

国の緊急事態宣言を受けて、それぞれの自治体が感染拡大を防ぐためにとった対策の一環で、登園自粛を求める方向で検討しているほかの自治体も多くあります。

さらに千葉県柏市では8日、市の保育園などについて、登園の自粛要請ではなく「原則として臨時休園とする」と発表しました。

柏市はそのうえで、医療や保育、介護、インフラ、それに食品・生活必需品の供給に関する仕事などを「社会生活を維持するうえで必要な仕事」の例として挙げ、保護者がこうした仕事に就いていて、かつ家庭で子どもを保育する人がいない場合は、別途、「特別に保育を行う」ための手続きをするよう求めています。

これらの仕事に就いていなくても、家庭での保育が特に困難と認められる場合は、特別に保育を行う例外規定は設けました。

柏市の保育運営課は「保育園はどうしても3密になりがちなので、園児や保育士の感染の危険を減らすためにも『原則として休園』という強い表現とした。保護者の皆さんに本当に必要な保育かを再検討してもらいたい」と話しています。

登園半減の保育所も

緊急事態宣言を受けて、できるかぎり保育園などへの登園を自粛するよう呼びかけた千葉市では、8日に登園した園児が大幅に減ったところもありました。

このうち、千葉市中央区の市立新宿保育所では、登園した園児がふだんの半数ほどのおよそ60人にとどまったということです。

保育所では、これによっていすを離して食事をしたり、布団を離して昼寝をしたりするなど、園内での感染防止策を取りやすくなったということです。

一方で、仕事や家庭の事情で保育所の利用を続けざるをえない人もいて、4歳の長女を迎えに来た40歳の会社員の男性は「自粛要請もあり、本来なら自宅で家族で過ごすべきだとは思うが、仕事を休めず預かってもらいました。
保育園に預けることで感染のリスクが高まる心配はありますが、対応してくれる先生方には感謝しかありません」と話していました。

また、4歳の次男を迎えに来た42歳の会社員の女性は「多くの子どもが集まるほど感染のリスクは高まるので、預けることには負い目も感じます。先が見えず不安でいっぱいです」と話していました。

新宿保育所の河野恵里子所長は「保育園は密集が生じやすい場所なので、登園の自粛要請をしてもらってよかったと思う。預かった子どもは常に健康状態に気を付けて、ウイルスに感染させないようにしたい」と話していました。