東京 中小企業の融資申し込み殺到 自治体窓口で順番待ちも

東京 中小企業の融資申し込み殺到 自治体窓口で順番待ちも
都内の自治体には業績が悪化した中小企業などから、融資制度の問い合わせや申し込みが殺到し、窓口周辺に多くの人が待機する状況も起きていて、各自治体では職員を増員したり、受付場所を変更したりするなどの対応に追われています。
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、都内の自治体では緊急の融資制度を独自に設けるなどして、業績が悪化した中小企業や個人事業主の支援を拡充しています。

こうした中、制度の相談や申し込みのために窓口を訪れる人が急増し、長時間の順番待ちが起きていて、受付態勢の拡大と感染防止の両立が課題となっています。

このうち、文京区では対応できるのは1日30件程度で、職員や中小企業診断士の数も限られているため、受け付けを翌日以降にしなければならないケースがあるということです。

また、足立区では先月だけで950件を超える融資制度の申し込みがあり、平成30年度の1年間の申込件数の半数近くに上っています。

庁舎では感染防止のため待機する場所のイスの間隔を空けるなどしていますが、早ければ今週中にも受付場所を展示会などで利用している1階の広いスペースに移すことにしています。

ただ、個人情報を取り扱うため、職員が在宅などで業務をすることができず、パソコンも毎日、4階から運び込まなければならないため、区では今後の対応を検討しています。

足立区は「すでに総動員で対応しているので、対応可能な件数は限界に近づいています。緊急事態宣言が出たことで、今後さらに申し込みが増える可能性もあるので、態勢の拡充をどう図っていけばいいかが大きな課題です」と話していました。

相談などの面談を予約制にした自治体もありますが、例えば新宿区では、いま予約をしても最短で6月上旬になるなど、対応まで数週間から2か月近くかかるケースもあります。

新宿区は「相談員を増やして対応していますがニーズが多く、予約を待っていただくしかない状況です。資金繰りが悪化している事業者のため、できるだけ速やかに手続きが進められるよう、何か方法を検討しなければならない」と話しています。

多くの自治体では窓口や職員の数を増やしているほか、葛飾区では受付時間を延長して夜間も対応しています。