ピザからお好み焼きへ テイクアウト 必死の生き残り戦略

ピザからお好み焼きへ テイクアウト 必死の生き残り戦略
定番のピザではなく万人受けするお好み焼きをあえてテイクアウトの主軸に据えたイタリアンレストラン。「なじみの店がつぶれないでほしい」と市内の飲食店のテイクアウトメニューを紹介するサイトを立ち上げた市民。いわゆる3密厳禁で苦境に立たされている飲食店や推しの店を支える人たちは、必死の生き残り戦略を考えています。

連日完売 お好み焼き

東京・新宿区にあるイタリアンレストランは店内飲食をやめ、今月3日からテイクアウト専門の営業を始めました。

店では、もともと常連客向けにピザのテイクアウトを行っていましたが、あえて専門外の関西風のお好み焼きをメニューの主軸に据えました。
ツイッターに投稿したところ、「イタリアンレストランのお好み焼き」がウケて、毎日完売しているということです。

お好み焼き “完全食”

でもこれはウケねらいではなく必死の生き残りの戦略です。

両親が経営するこの店を手伝っているという福田瑞葵さんによりますと、店の3月の営業利益は前の月と比べて半分以下に減少し「何も手を打たなければつぶれてしまう」と戦略を考えたそうです。

それがピザからお好み焼きへの転換でした。

「関西ではお好み焼きのことを『完全食』と言ったりします。野菜もお肉もいっぱい入っておなかいっぱいになれます。毎日の食事の準備にお困りの近隣住民の皆様に『完全食』のほうがご利用頂けるのではないかと思った」

推しの店を救いたい

一方、飲食店のテイクアウトを支えようという動きもあります。

兵庫県姫路市では、有志が市内の飲食店のテイクアウトメニューをまとめたサイト「HIMEJITAKEOUT」を4月2日に立ち上げました。サイトには、現在およそ30店舗のテイクアウトメニューや地図、電話番号が掲載されています。多くはテイクアウトを初めて試みる店です。
このうち市内のラーメン店も仕込んでいる食材をむだにできないと、餃子などのメニューに加えて唐揚げ弁当やカレーライスなどをテイクアウト向けに販売し始めました。

サイトを立ち上げた有志の1人でウェブデザインなどを手がける会社の経営者、長沼実侑紀さんは「飲食店の皆さんは客に来店を促すこともできずだまって耐えている状態です。なじみの大好きな店が疲弊し閉店してしまうことを防ぎたいという思いでやっています」と話していました。