最貧国の一つ アフリカ南部マラウイ 新型コロナ感染拡大の懸念

最貧国の一つ アフリカ南部マラウイ 新型コロナ感染拡大の懸念
新型コロナウイルスの感染者が新たに確認された世界最貧国の一つアフリカ南部のマラウイで、UNDP=国連開発計画の常駐代表を務める小松原茂樹氏がNHKのインタビューに応じ、「これが広がり始めると最も貧しくぜい弱な人たちに大きな影響が及ぶ」と述べ、強い懸念を示しました。
小松原氏はアフリカ南部のマラウイでUNDP=国連開発計画の常駐代表を務めていて、7日、NHKのインタビューに応じました。

この中で小松原氏はマラウイは国民の70%が1日1.9ドル以下で暮らすなど貧困がまん延しているうえ、医師は10万人当たり1.57人しかおらず、医療体制がぜい弱だと指摘しました。

そして新型コロナウイルスについて、今月に入ってこれまでに8人の感染が確認され、1人が死亡したと明らかにし「これが広がり始めると、最も貧しくぜい弱な人たちに大きな影響が及ぶ」と述べ、強い懸念を示しました。

また、新型コロナウイルスがアフリカ諸国に及ぼす影響については「アフリカへの資金の流れは欧米などに出た労働者からの送金、海外からの直接投資、そして開発援助が3分の1ずつだ」と述べ、こうした資金が途絶えるか先細れば、アフリカの社会や経済はこれまでと全く異なるものになると指摘しました。

そのうえで小松原氏は「日本も大変な時でアフリカを気遣う余裕はないかもしれないが、世界の反対側でもこれからウイルスとの闘いに臨む人たちがいることを思い起こしてもらい、日本の知恵や経験を共有してほしい」と述べ、日本との連帯に期待を示しました。