緊急事態宣言 都内の保育所の対応は

緊急事態宣言 都内の保育所の対応は
「緊急事態宣言」の対象となった東京都内の保育所の中には、都や区から具体的な方針が示されるのを前に、独自の対応を決めたところもあります。

板橋区の保育園では

板橋区のわかたけかなえ保育園では、現在およそ70人の子どもを預かっています。

東京都から方針は、まだ示されていませんが、施設内での子どもへの感染のリスクを減らすために、利用者の人数を減らす独自の対応を決めて、7日保護者に伝えました。

この保育所では、これまでも自宅で子どもの面倒を見られる保護者には登園を自粛するよう呼びかけていましたが、8日からは緊急事態宣言が解除されるまでなるべく登園を自粛するよう、さらに強い要請をすることにしました。

ただし、保護者が医療やライフライン、社会福祉、物流など生活に欠かせない業種に従事している場合や、自宅での保育が困難な家庭については自粛の対象外とし、8日以降も通常どおり利用を受け付けるということです。

そのうえで保護者に配布した文書には「保育所は雇用や賃金の補償はできませんし100%の感染予防もできません」として自己責任で保育所を利用してほしいと呼びかけています。

2歳の子どもを預けている母親は「子どもと職員の安全を考えれば保育所の要請はもっともだと思います。夫とも相談して、できるかぎり登園せずに済むように協力したいです」と話していました。

わかたけかなえ保育園の山本慎介園長は「感染のリスクを下げるためにできることを考えた時に、利用者を減らすという措置を取らざるを得なかった。ただ、保護者の中にはどうしても働き続けなければいけない人もいるので、事情に応じて対応できることを考えると、一斉休園にするのではなく施設ごとに判断できるほうがいいと思います」と話していました。

練馬区の保育所では

保育所の対応について東京 練馬区では、どうしても仕事を休めない家庭にかぎり、子どもを預かることを検討していますが、最終的には今後出される東京都の方針も踏まえて、8日会議を開き決定するとしています。

このため、区内の保育所では保護者からの問い合わせなどへの対応に苦慮していて、「練馬区立向山保育園」の安川信一郎園長は「きょうも園児の父親から、『保育園はどうなるんですか』と心配の声がありましたが、区からの方針が出たら、お伝えしますとしか言えませんでした。緊急事態宣言が出てからでは遅いので、区に対して事前に想定をして対応してもらわないと保護者も職員も困ると伝えました」と話しました。

また、園内で感染者が出ることが懸念される一方、子どもを預けることができない保護者が増えると予想されることから、安川園長は「欧米では外出できないなかで、DVなど、子どもとの関係が息詰まってしまったケースもあるので、こういう状況で子どもをどう守るかは難しいと思います。感染防止を考えるとなるべく保育園に来ないようにしてもらいたいのですが、もし大変だったら、保育園に来てもらってもかまわないと保護者に伝えるつもりです」と話していました。

渋谷区の保育所では

保育所の対応について、東京都から詳しい方針は示されていませんが、渋谷区は6日、保護者や関係者に対し、区内の保育施設などは原則、臨時休業すると通知しました。

ただ、保護者がすべて警察官、消防職員、それに医療従事者で、子どもの面倒を見る人がいない家庭については、区内の6つの保育施設で、特別保育を行うということです。

また、それ以外の家庭についても、仕事がどうしても休めない人や子どもをどこにも預けることができない人など、家庭での保育が困難な場合に限って、子どもを受け入れるということです。

渋谷区の担当者は、「賛否両論あるが、なるべく外出する人を少なくするという緊急事態宣言の趣旨に沿った対応をとりつつ、必要な人への保育は実現したい」と話しています。