外出制限でDV急増 国連が警鐘 新型コロナウイルス

外出制限でDV急増 国連が警鐘 新型コロナウイルス
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、各国で外出制限が行われ、人々が家で過ごす時間が増える中、国連はDV=ドメスティック・バイオレンスが急増していると警鐘を鳴らし、各国政府に対応を求めています。
女性の地位向上などを目指す国連の機関、UN Womenは6日、報告書を発表し、各国で外出制限が行われ、家で過ごす時間が増えることで、女性が夫などからDVを受けるケースが急増していると指摘しました。

UN Womenによりますと、フランスでは、先月17日に外出制限が始まってからDV被害が30%増え、シンガポールでは、ヘルプラインへの相談件数が33%増加したほか、アメリカやカナダ、イギリスなどでも被害の拡大を受けてシェルターを要望する声が高まっているということです。

一方、暴力をふるう相手が常に在宅しているため、女性が支援を求められないケースも相次ぎ、一時的にDVの相談が減っている地域もあります。

イタリアでは、女性が被害者支援サービスにアクセスできず、先月初めの2週間に寄せられた相談件数は55%減ったほか、フランス北部でも同様の傾向がみられたということです。

UN Womenは、被害が表に出ずに深刻化するおそれがあるとして、各国政府に対し電話だけでなく、ショートメッセージなどを通じて加害者に知られることなく相談できるオンラインの窓口を拡充したり、被害者のためのシェルターを確実に担保したりすることなどを求めています。