外出自粛要請 2度目の週末 各地は… 新型コロナ

外出自粛要請 2度目の週末 各地は… 新型コロナ
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新型コロナウイルスの感染拡大で、外出自粛要請が出されてから2度目の週末。東京都など各地の自治体は不要不急の外出を控えるよう強く求めていて、各地の人出も少なくなっています。

東京 上野 アメ横は…

東京 上野のアメ横商店街は、人通りが少なく、いつもより静かな週末を迎えました。

同商店街は、JR上野駅から御徒町駅の間の全長500メートルにわたる商店街です。

約400店舗あるうちの100店舗ほどが店を閉めていて、いつもはすれ違うのが難しいほど人の流れがある週末の商店街の通りでは、人の姿がまばらでした。

海産物店の69歳の店長は「これまでと比べ物にならないくらい人出が少なくて朝から閉店まで同じような人通りです。35年店をやっていますがこんな経験はないです」と話していました。

また、昭和6年から続く菓子店では、花見のシーズンに向け通常の倍の菓子を仕入れていましたが、この2か月、売り上げは例年の1割程度にとどまっているということです。

在庫を抱えておくわけにもいかず、同じ値段で、倍の量を袋に詰めているということですが、それでも購入する客は少ないということです。

65歳の店主は「東日本大震災の時の人出の少なさは一時的なものでしたが、これが続くと厳しいです。ウイルスは敵の見えない戦争みたいで大変です」と話していました。

アメ横商店街連合会の千葉速人副会長は「アメ横は個人店が多く売り上げがないと生きていけないので自粛要請があっても休めない店も多い。具体的に家賃や売り上げの補償なしに自粛となるとアメ横商店街自体が成り立たなくなる」と危機感をあらわにしていました。

東京 池袋では…

東京 池袋の駅前の大手デパートは今週末、休業となっていて街の人通りも少なくなっています。

ふだんは多くの買い物客でにぎわう池袋駅周辺の大手デパートや、ファッションの専門店などが入るビルはシャッターが下ろされ、今週末と来週末の臨時休業を知らせる紙が貼られています。

また、近くの家電量販店も営業時間を短縮する対応をとっていて、今週末、開店時間はふだんより1時間遅く午前11時から、閉店時間は4時間早く午後6時としていて、店舗の周辺を歩く人もまばらでした。

練馬区から来た58歳男性は「平日は仕事をしているので、食料品などどうしても必要で買いに出てきました。買ったらすぐに家に帰って、テレビを見て過ごします」と話していました。

一方、駅前のタクシー乗り場には客待ちのタクシーが列をつくっていました。

61歳のタクシー運転手の男性は「人通りはいつもより全然少なく、1時間待って1組乗せられるかどうか分からないぐらいです。売り上げも3分1ぐらいに減っていて、会社がもつか不安です」と話していました。

千葉 館山「桜のトンネル」もひっそり

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛の呼びかけを受けて、千葉県館山市の神社にある「桜のトンネル」がことしは静かに花を咲かせています。

千葉県館山市にある安房神社の境内には、およそ100本のソメイヨシノなどが植えられ、先月末から咲き始めました。このうち、長さおよそ150メートルの参道では咲き誇った桜が両側から枝をのばしてトンネルのようになっていて、例年はこの「桜のトンネル」を見ようと多くの人が訪れます。

しかし、千葉県内でも外出の自粛が呼びかけられている影響で、ことしは訪れる人は少なく、長時間立ち止まる人の姿も見られませんでした。

神社では「新型コロナウイルスの感染がこの周辺でも確認されたので、来年以降、ゆっくり見に来ていただきたい」としています。桜のトンネルは来週半ばころには花が散り始めるということです。

宮城の桜の名所も

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、不要不急の外出の自粛要請が出されている宮城県では見頃を迎えている桜の名所でも人影はまばらになっています。

宮城県では仙台市内の飲食店で新型コロナウイルスの集団感染が発生するなど18人の感染が確認されていて、県と仙台市は3日、今週末を含め当分の間、不要不急の外出を自粛するよう要請しました。

大河原町と柴田町を流れる白石川沿いの「一目千本桜」は今、見頃を迎えていて、例年だと20万人以上の花見客が訪れます。

しかし不要不急の外出の自粛要請が出される中、4日も人影はまばらで、訪れた人たちはマスクを着用し互いに距離をとって歩きながら桜を眺めていました。

大河原観光物産協会の大槻文彦事務局長は「外出自粛の要請を受けて、花見客などが利用する駐車場の利用中止なども検討しています」と話していました。

福岡 天神も閑散

福岡市の繁華街 天神でも商業施設などが相次いで臨時休業し、いつもとは違って人通りはまばらで閑散としています。

福岡県は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、県民に対して不要不急の外出の自粛するよう求めています。

これを受けて、福岡市の繁華街 天神では、4日は主な商業施設が相次いで臨時休業の措置を取っています。

デパートなどの入り口には臨時休業を知らせる案内が貼り出され、ふだんは多くの家族連れや若者でにぎわいを見せる通りも、人影はまばらで閑散としていました。

天神で美容師として働く男性は「ふだんより人が少なく寂しいですね。店の予約もキャンセルが増えているが、マスクや手洗いうがい、店内の換気などをしてお客さんにうつさないように感染防止対策を徹底しています」と話していました。

大分県日田市から天神にある病院に診察を受けにきた女性は「外に出たくはないが、病院に行かないといけないのでしょうがないと思います。早く終息してほしいです」と話していました。

福井も人通り少なく

新型コロナウイルスの感染者が急速に増える中、福井県は週末の不要不急の外出や会合の自粛を呼びかけていて、JR福井駅前などでは、ふだんより人通りが少なくなっています。

国のクラスター対策班の分析によりますと、福井県で感染が確認された人に症状が現れたのは先月22日ごろと27日ごろに集中していて、ウイルスの潜伏期間に当たる5日程度の周期で「感染の波」が来ているとみています。

このため、次の感染の波は先月27日ごろから5日以上が経過した、この週末になる可能性があるということです。

杉本知事は3日の会見で、今月19日までの間、週末の日中・夜間と平日の夜間の不要不急の外出や会合の自粛、それに感染が拡大している首都圏・関西圏との不要不急の往来の自粛を求めました。

こうした中、週末の午後は買い物客などが行き交うJR福井駅前も4日、人の姿はまばらでした。

また、ふだんは観光客などでにぎわう全長10メートルの恐竜のモニュメントがある駅前の広場にも、人の姿はほとんどありませんでした。