米 ICU 大幅不足の予測 重症患者の治療に不可欠

米 ICU 大幅不足の予測 重症患者の治療に不可欠
新型コロナウイルスの感染者が急速に増えているアメリカで今後、感染がピークを迎えた際、重症患者の治療に欠かせないICU=集中治療室が大幅に足りなくなるとする予測を国際的な研究グループが発表しました。
これはアメリカやカナダの大学の研究者らのグループが3日、科学雑誌「アメリカ科学アカデミー紀要」に発表しました。

それによりますと、アメリカで新型コロナウイルスに感染した人1人が平均で2.5人に感染を広げると仮定し、症状が出た人が自主隔離しないで、これまでと同様の生活を送った場合、症状が重い患者が最大30万人にのぼると予測しています。

アメリカ国内には、現在重症患者の治療に欠かせないICU=集中治療室は9万7000余りで、必要な数の3分の1しかなく、適切な治療を受けられず、多くの人たちが命を落とす可能性があると分析しています。

また、感染して症状が出た人の20%に当たる人が48時間以内に自主隔離した場合、症状が重い患者は最大22万人まで減り、24時間以内に自主隔離した場合は15万人まで減ると予測していますが、いずれの場合も国内でICUは足りなくなるとしています。

研究グループは自主的な隔離や外出の制限は患者数を減らし、結果的に致死率を下げる効果があるとして、有給休暇制度の充実や在宅勤務を推進するなどの施策が重要であると結論づけています。